Yoshishun

マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASON-浅き夢の暁-のYoshishunのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

『魔法少女まどか☆マギカ』外伝となるマギアレコードシリーズ完結編。
すべての始まりとなる病室3人組といろはの物語がついに語られる。
いわゆる無印版第10話のような種明かしエピソードが初っぱなから始まる感じ。

アプリ版のストーリーは全く知らないので比較はできませんが、明らかに製作スケジュールの都合により、本来前シーズンで完結できたラスト4話を無理やり別シーズン化してますね。OPもEDも最終回以外同じですし。

第1シーズンは、多すぎるキャラクターそれぞれのバックストーリー中心、第2シーズン、そして本シーズンでようやくストーリーが大きく動き出す。

1話から登場していたちびキュウべぇの正体、OPで意味深に映された実写映像、何者でもない黒江、そしていろはの正しき行動の末路など、意外にも様々な伏線回収していく親切設計でした。また、ういのキュウべぇに対する「魔女が消滅したら……?」という質問に、曖昧な回答しかできないキュウべぇを見る限り、無印版から連なる世界線であり、まどかが円環の理となる前の時間軸なのでちゃんと繋がりがみられることに安心した。魔法少女のために動いた魔法少女たちの"失敗"の記録として、マギアレコードが存在するという結末も中々粋だったと思える。いろはの行動全てが裏目に出て、まさにまどマギらしい結末を迎えられたことは評価できる。

ただファンなら忘れてはならないワルプルギスの夜の扱いがすこぶる酷く、あれだけ前シーズンで持ち上げておきながら、姿すらも登場させない。また、いろはら魔法少女たちの覚醒、コネクトが最強すぎてクライマックスは勢い任せすぎていた。魔女化した黒江も一刺しでKO、

そして1番の問題は、尺稼ぎのためか、やたらキャラクターの感情の振り幅が不安定すぎます。特に灯花とねむは意味不明で、いろはの行動が裏目に出るようにわざとドッペル計画を実行しているようにしかみえない。

まあでも、無印版が完璧な作品だから、本作が越えられるわけないんですが、第2シーズン含めて後半はやや持ちこたえた方かと思います。ういの消滅も泣けますし、部分的には最高と思えるシーンもあります。もしかすると新作『ワルプルギスの廻天』に絡んでくる可能性も否定できないので、無印ファンも1回観ていただくといいかもしれません。
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