Yoshishun

Devilman CrybabyのYoshishunのレビュー・感想・評価

Devilman Crybaby(2018年製作のアニメ)
3.8
永井豪による名作漫画『デビルマン』を鬼才・湯浅正明が現代版にアップデートしたネトフリアニメ。

湯浅監督独特の映像表現は本作でも健在。色彩感覚の乱れに乱れまくった赤と黄の入り交じる流血描写、スピード感溢れる作画、簡潔ながらも妥協しない戦闘描写、キャラクターの手を振りまくる走り方etc.

また、現代版にアップデートしながらも作品の根幹にある人間の醜さをテーマにしており、SNSやメディアの発展に伴い誰でも簡単に情報を流出させ、また操作できるようになった現代だからこそ、このテーマの真価も上がったように思える。

しかし、現代版としたことでどうでもいい部分に時間を割きすぎてしまったよくに思う。特にキャラクターの心情を何故かラップ調に語るシーンが多い。前作のあらすじをラップに乗せて語るのも謎だし、キャラクターの誰にも認められない孤独感を全てラップにしたりする。終いにはそのラップに涙する流れもあり、作品内のキャラクターの感情が悪い意味で複雑に感じられる。また、SNSでのいわゆるアンチコメントを文字として羅列しまくる手法も、ニコ動のコメントのように古臭い。

そして、本作があくまで現代版であるという前提で作られているものの、製作発表時は"原作の最後まで映像化すること"を広く宣伝していたはず。そのため、湯浅色強めなのはいいとして、現代版ではなく、原作に忠実なデビルマンを見たかった。

少し『日本沈没2020』が心配になってきた……
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