Yoshishun

チェンソーマンのYoshishunのレビュー・感想・評価

チェンソーマン(2022年製作のアニメ)
4.0
原作は単行本全巻読破済、少年ジャンプらしさ0な悪魔バトル漫画が満を持してのアニメ化。しかも呪術を大ヒットさせたMAPPAが制作、毎話入れ替え式ED、ティザー予告での期待値爆上げと、秋アニメの覇権はほぼ約束されていたといっても過言ではない。
大いなる期待を込めて、1話を視聴!














………うん!画は綺麗!音楽も良し!

ただ、何だろう。原作の独特な台詞回しや世界観を完全再現できていたかというと…かなーり微妙なところ。

というのも、監督のインタビューによれば、本作は既存のアニメに囚われない映画的演出をやりたかったとのこと。
劇中でやたら引きのショットがあるように、アニメというより映画を見ているかのような演出が目立つ。
しかし、そんな監督の自己満をわざわざ『チェンソーマン』に取り入れたしまったことで、原作の持つ奇々怪々なテンポが失われてしまったように思う。
牙を抜かれたライオンのように、藤本タツキ先生の書いたチェンソーマンとは一線を置いた印象を受ける。

日常パートは特に問題ないが、致命的なのはアクションパート。6話位までは上述の映画的演出が邪魔をして、アクションのテンポがかなり悪くなってしまっている。

また、声優にあまり覇気がないのも問題だろう。皮肉にもソシャゲのコラボガチャ内での台詞のほうがデンジっぽさが出ているが、実際のTVシリーズ内では何故か個性を抑えデンジらしさが薄まってしまったのは問題だと思う。パワーちゃんがやたら主張の激しいキャラクターだっただけに、余計にデンジというキャラクターの声質に違和感を覚えてしまう。

ただ、制作がMAPPAなので、作画の緻密さや音楽の使い方は文句なしで、チェンソーマンにしては画が綺麗すぎる気がするものの、『鬼滅の刃』の例もあるので、アニメ用にアップデートされていると思えば問題ない。

監督の自己満演出で原作の作風を殺しにかかっている本作。是非2期では監督交代させるか、何なら藤本タツキ先生監修で製作してほしいと思う。
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