Yoshishun

鬼滅の刃のYoshishunのレビュー・感想・評価

鬼滅の刃(2019年製作のアニメ)
4.2
劇場版が公開初日で10億以上稼ぎだしたらしい。これは日本映画史始まって以来の"異常"すぎる数字であることは確か。千と千尋超えは難しいにしても、今1番ノリにノってる作品だけに、どこまで数字を伸ばせるか注目していきたい。

前置きはこのくらいにして、言わずと知れた同名コミックを、映画級の映像美をTVシリーズの段階から世に送り続ける今世紀最強の制作会社ufotableが映像化。

実は放送当時はそこまで爆発的なまでのヒットには至っていなかったのは有名な話。古参アピールにはなってしまうが、原作の連載開始時からずっと読んできた自分としては、このアニメ化をずっと心待ちにしてきた。ほぼ同期の約ネバやゆらぎ荘に先を越された時は何故か焦ってしまったが、念願のアニメ化、そしてufotable制作と発表された時はかなり心踊った。多くのファンの間でも長い間アニメ化が待たれていただけに、この吉報にはただならぬ期待を寄せていたはずだ。通常の放送とは異なり、放送1ヶ月前に第1話~第5話を劇場用に編集した『兄弟の絆』をワールドプレミア・劇場公開するなど異例中の異例だ。

そんなまだ原作ファンやufotableファンというごく一部からの期待の眼差しが強かったのだが、社会現象ともとれる異常な大ヒットをすることになる。原作の売上も数十倍に膨れ上がり、関連商品の売上も驚異的なものになった。ただ、それだけにどこに行っても鬼滅だらけで安易にどこかの有名企業とコラボするだけで嫌悪感を示すアンチを生み出すことになった。

さすがにこの爆発的(すぎる)ヒットには動揺してしまったが、原作勢であった私にはアニメ化を経ての社会現象化に少し戸惑った。原作のみの力では恐らくここまではいかなかっただろう。グッズに関しても、原作コミックではなく、アニメ関連が大半を占めている。じゃあ原作はつまらないのか。そういうわけではない。一見下手にみえる絵も徐々に魅力的に思えてきたり、個性豊かなキャラクターが魅力的であったりと、漫画は漫画でちゃんと面白い。

そんな原作勢からみても、今回のアニメ化はやはり良くできていると思う。原作でいうと、1~6巻辺りの映像化だが、個性的な絵は美化され、アニメ向きにアップグレードされている。勿論ギャグパートでは、画風が弱冠変わるなど原作を踏襲している部分もある。ただ煉獄大活躍の無限列車編からかなり盛り上がるし面白いので、それまでの箸休めという印象も強い。なので現在公開中の『無限列車編』を劇場版としたのは英断といえる。

ストーリーとかキャラクターとか今更言うことなんてない。ただアニメは社会現象化するほどの魅力は詰まっているので、是非観ていただきたい。
Yoshishun

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