勝ったのは農民だ

鬼滅の刃 刀鍛冶の里編の勝ったのは農民だのネタバレレビュー・内容・結末

鬼滅の刃 刀鍛冶の里編(2023年製作のアニメ)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

【悪役には魅力を感じませんが、3人の過去回想談は好きです。】

今回もかなりネタバレします。
そして長いです。
あらかじめご了承下さい。🙇‍♂️

原作本は全巻をすでに一度読んでいますが、

自分の中でこの“刀鍛冶編“は、
“遊郭編“や後にある“無限城編“に比べて、
好きさのレベルはちょっと落ちます。⤵️

その1番の理由は悪役🦹‍♂️に魅力を感じなかったことです。
那多蜘蛛山編や遊郭編の最終回の妓夫太郎の話なんかはすごく泣けましたからね…。😭

今回の悪役は
“イカれた芸術家“🐙と“無責任な虚言癖の持ち主“🥺(それぞれ名前は忘れました)ですが、彼らの掘り下げ不足は間違いないと思います。



特に後者の“無責任な虚言癖の持ち主“って、
最終回でチラッと生前の記憶が描かれていましたけど、もっと深く掘り下げることが出来ると思うんですけどね…。
マーティン・スコセッシ監督(『タクシードライバー』『キング・オブ・コメディ』等)だったら彼の人生で一本の映画を撮れそうな気がします。🎞️

以前漫画も読んで、
今回アニメも全11話を見終わりましたが、
いまだにこの悪役2人が人間だった頃に何があったか❓がよく分かりませんでした。🤦🏻‍♂️


甘露寺さんを振ったメガネのお見合い相手も悪役なんでしょうが、彼のバックボーンもよく分かりませんでした。🤷🏻‍♂️

要は全ての悪役に感情移入しづらいし、魅力を感じなかったです。


それから序盤のコメディパートが長い割にあんまりギャグが面白くなかったです。⤵️

ただ、

・不死川玄弥
・霞柱:時透無一郎
・恋柱:甘露寺蜜璃

この3人の過去のエピソードはかなり好きです。
原作本を読んだ時からバトルのシーンはほとんど忘れてましたけど、彼らのそのエピソードや名台詞はちゃんと覚えてました。

😈🔫😈🔫😈🔫😈🔫😈🔫😈🔫😈🔫😈🔫😈🔫😈🔫😈🔫😈🔫😈🔫😈🔫

【まず不死川玄弥(声:岡本信彦さん)。】

このfilmarksのキャスト欄は絶対に間違ってます。(2023/6/18時点)
他の編なら別にいいんですけど、
この「刀鍛冶の里編」に限っては善逸と伊之助の声優さんをリストから外してでも彼を加えて欲しいです。


そして原作本を読んだ時も泣けましたが、
やっぱり弟:玄弥と兄:実弥の過去回想シーンがめちゃくちゃ泣けます。😭
あの「暗闇の中でよく見えなかったけど…」みたいなくだりの声優さんの演技もすごくうまいと思いました。


ただ、その回のコメント欄にも書きましたが、

この第8話のTV放送日は母の日(5/14)だったんです。母の日にこんな母親殺しの話を見るとは思いませんでした。😰

“最愛の母親の話“だと思いきや、
“そんな最愛の母親を殺してしまった兄弟の話“でした…。

そしてその過去回想シーンの後、
玄弥が鬼を倒すために自己犠牲的な行動をとるのが少年漫画の王道的な展開でワクワクしました。🔫⤴️

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【次に時透無一郎(声:河西健吾さん)。】

河西健吾さんは『3月のライオン』の主人公:桐山零君の声優さんですね。今回は兄弟で1人二役です。

柱の中にはびっくりするぐらい第一印象が悪いキャラクターが何人かいますが、この時透無一郎もその1人です。
(不死川玄弥も第一印象は悪いです。甘露寺さんは第一印象からほとんど変わっていません。)

これも第8話のコメント欄に書きましたが、
彼の過去回想談も泣けます。😭
それに音楽も含めて第8話は映像演出が異常です。

この話も不死川兄弟同様に、
家族や両親を失った兄弟がこれからどうやって生きていくか❓って話でした。

兄:有一郎の考えもよく分かります。
現実的に生きていくためには、ああいう考え方になるしかなかったんでしょう。

あと心臓病🫀で亡くなられた刀鍛冶のお爺さんとの会話も好きです。
無一郎が鬼殺隊の中で1番の天賦の才の持ち主だそうですが、その影で努力してることとか、
あと、“覚えていられないことに対する不安“みたいなものは自分もよく感じますから。🤯

ひとつ気になったのは、🤔

「無一郎の“無“は、“無限“の無なんだ」って言葉は原作本を読んだ時からよく覚えていましたが、

兄の名前が有一郎で、
弟の名前が無一郎
って名前をつけた両親の考慮不足です。

兄弟間で甲乙をつけているようなもんです。

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【そして甘露寺蜜璃さん(声:花澤香菜さん)。】

花澤香菜さんは『3月のライオン』の川本ひなたちゃんの声優さんですね。
というか、この人、めちゃくちゃ作品が多い声優さんみたいですね。😅
顔は見たことがなくても、気づかないうちに彼女の声は聞いたことがあるんでしょう。🗣️


この甘露寺蜜璃というキャラクターは、
柱の会議で初めて登場した時から薄々感じてましたけど、個性豊かな多くの柱の中でも屈指の“ボケ“役だと思います。


この話に善逸⚡️と伊之助🐗が登場しない理由もなんとなく分かります。

特に善逸と甘露寺さんが同じ画面上にいると、ボケ要素が強すぎてなんか色々と面倒くさい気がします…。😅


「いたずらに人を傷つける人にはキュンとしないの‼️」みたいな“鬼を殺して捨て台詞“は、「セーラームーン」みたいな少女アニメのヒロインを連想された方も多いらしいですね。

ただ、個人的に彼女を観て真っ先に連想したのはMCUのキャプテン・マーベルです。
“記憶を失くす“🤯って意味では時透無一郎に近いんですけど、
“いろんな制約から解放された女性が桁違いな実力を発揮する話“
って意味では甘露寺さんと同じです。

彼女の場合、
努力して強くなったんじゃなくて、
元からめちゃくちゃ強いんです。💪


それに加えてこの『鬼滅の刃』は大正時代の話ですから、
当時だったら
平塚らいてうとか
市川房枝みたいな
ああいう女性解放運動みたいなメッセージ性を含むキャラクターにも感じました。
近年でも
『透明人間』『スワロウ』『最後の決闘裁判』『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』
みたいにそういうハリウッド映画が立て続けに公開された時期がありましたから、当然現代にも通じる普遍的なテーマでもあります。👩

「女性だから○○しないといけない」
「女性だから強く思われてはいけない」

みたいな制約から解放されて、自分の力が誰かのために役に立てることは幸せですね。
たぶん甘露寺さん自身が一番「自分の人生を生きてる」って実感しているはずです。


不死川玄弥、時透無一郎、あと炭治郎と禰󠄀豆子もそうですけど、
幼い頃に両親・兄弟を失くしたり、爪に火をともすような侘しい過去回想談が多いですね。

もちろん彼らの過去回想談はどれも好きですけど、
この「刀鍛冶の里編」に関してはそれ以上辛気臭い話ばっかりしてもしょうがないので、甘露寺さんみたいな明るいキャラクターが一人いる方が全体的にバランスがいいと思います。⚖️


それにしても“桜餅🌸を1日170個食べる“ってどんな胃袋なんでしょうか❓あれは設定に無理があると思います。せめて50個とかでしょう。自分ならせいぜい3個です。😅


「無一郎が鬼殺隊の中で1番の天賦の才の持ち主」だと言われていましたが、
“桜餅🌸を1日170個食べられる“だけでも甘露寺さんもバケモノ的な才能の持ち主です。


そんな娘を養い続ける彼女の家の経済状況とか、或いは現在の彼女の給料も心配です。💸
伊黒🐍さんがしょっちゅう彼女のメシ代を奢っているのかもしれませんけど、それに依存する甘露寺さんは見たくないですね…。😅

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【綾鷹のCMの制作スタッフはちゃんとこのアニメを観た上で作ったのが分かります。】

それ以外だと、

・MWAM🐺とmiletさんの主題歌『絆ノ奇跡』も好きです。
それに第2話で炭治郎が小鉄君にかける言葉と重なる、この刀鍛冶の里編の話に沿って考えられた歌詞なのも分かります。

・隠の後藤さんがいい人です。

・第1話の無限城のシーンから映像が異常にすごいです。これで一気に心を掴まれました。💘
『2001年宇宙の旅』や『インターステラー』を想起しました。「無限列車編」はもろに『インセプション』みたいなことをしてましたから、原作者は絶対にクリストファー・ノーラン監督作品から影響を受けていると思います。

・鋼鐵塚さんがお面を取ったら隻眼だけど美形なのも意外でした。ただ、もうあのひょっとこのお面に目が慣れたので、伊之助🐗同様に基本的には素顔を見せない方がいいでしょう。

チャン・イーモウ監督の『HERO/英雄』で、敵の襲撃を受けている中でも集中力を切らさずに筆を取り続ける人たちのシーンがありましたけど、

原作者は今回の鋼鐵塚さんの刀を研ぎ続けるシーン🗡️の着想はあれからインスパイアされたのか❓はなんの確証もありません。


・縁壱零式から刀が出てきた時に、喜びのあまり炭治郎と小鉄君の2人のテンションがおかしくなってサボテン🌵とかの組み立て体操をしているのが笑えました。🤣
ただ、それからしばらく続く小鉄君の毒舌ぶり、純粋さゆえの非論理的な修行には腹が立ちました。💢

炭治郎にとってあんな飢餓状態で食べるおにぎり🍙とお茶🍵はどんな高級レストラン🍽️よりも旨いでしょうね。😂

・CMで綾鷹とコラボしていたのも納得です。🍵
あのCMの制作スタッフもちゃんとこのアニメを観た上で作ったのが分かります。

☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️☀️

【そして最終回の威風堂々とした凱旋パレードは壮観でした。】

そして最終回が最高でした。😄
凱歌を挙げたような、
凱旋パレードを観たような爽快感がありました。

それから、基本的には炭治郎は太い信念を持っている、迷わない、ブレない主人公なんですが、

・禰󠄀豆子を守るか❓
・鬼を倒して市井の人たちを守るか❓

炭治郎にとってここまではっきりとトロッコ問題を突きつけられたのはもしかしたら初めてかもしれません。

これで禰󠄀豆子が本当に死んでいたとしてもそれはそれで感動したでしょうし、テーマが明確になったと思います。
でも今回に関しては生きていてよかった。☀️


このシーンはまだ原作本を読まずにアニメを観た人が羨ましいです。
原作本を読んでいなければ、本当に禰󠄀豆子が死ぬと思ってもっと前のめりに観ていたと思いますから。

あと、禰󠄀豆子の声優さん(鬼頭明里さん)は
「これまでほとんど台詞を喋ってない割に、稼いでるんだろうなぁ〜」🤑って薄々感じてましたけど、この先はちゃんとした台詞が増えそうです。


アニメとして、

単純に映像の美しさも言わずもがなで凄いんですけど、💮

・何秒か続く無音シーン
・その登場人物のこれまであった名シーンの回想
・その登場人物を中心にして360度グルっと回るカメラワーク(『クリード』の試合後みたい)

これらの演出があるだけで自分は無条件に感動してしまいます。😭

あと、鬼舞辻無惨がお母さんと女中さんを殺して、その亡骸をすこしだけ踏んで部屋を後にするあの演出の細かさもすごいです。👏



・不死川玄弥のささやかな微笑み
・炭治郎に感謝する無一郎
・大喜びする甘露寺さん

このくだりもよかったです。🙂
それぞれのキャラクターの性格が出てます。

それから珠代さんと愈史郎君も久しぶりに見られました。🐈
これから先、この2人には期待しています。

次の「柱稽古編」も楽しみです。