砂海とよばれる砂の海に囲まれた世界。 四季それぞれの大陸が浮かび、獣人とよばれる種族が人間を支配していた。 ある日の小さな港町、食堂で働く青年キリエの前に現れた人間の少女モルテ。世界撲滅委員会のメンバーである彼女は追われる日々を送っていた。 衝撃的な出会いの後、行動をともにすることになったキリエとモルテ。 そこに、とある事件をきっかけにしてチビクマ族の獣人・勇者トッピーが加わり、三人の世界撲滅をかけた旅が始まる。
世界撲滅委員会と称されて追われる日々を送ることになってしまったキリエ、モルテ、トッピーの三人。 砂海を航海している最中に世界救済委員会の攻撃に遭い、乗っていたバギーが大破してしまった。 偶然に通りがかった運び屋アガンのサンドシップに拾われて命拾いをした三人はその後、非合法カジノや秘密クラブがある快楽船ジフニールにたどり着く。 一方、世界救済委員会のナジャとリ・アの二人も、快楽船ジフニールを目指していた。
キリエ、モルテ、トッピーの三人は監獄の中にいた。 彼ら世界撲滅委員会の手配書は世界中にばら撒かれており、流れ着いた先で捕らえられてしまったのだ。 世界救済委員会に引き渡される日が刻々と迫っている。 今までは成り行きで共に行動していたキリエたち世界撲滅委員会であったが、この非常事態に一致団結して脱獄を図る。 しかし、時を同じくして囚人アヤの脱獄計画が密かに進行していたのだった。
春の大陸にあるカエル師が治める街には「丘の上にある桜の木を傷つけると災いがある」という伝承があった。 カエル師の命令で街の桜の木々が伐採されても、その伝承のある桜の木だけは残っていた。 その街で穏やかなひと時を過ごしていた世界撲滅委員会の三人であったが、キリエが桜の木の枝を誤って折ってしまった。 運び屋アガンから伝承を聞いて心配にかられるキリエであったが人間の青年ジェードと出会い、伝承に隠されたある秘密を知ることになる。
春の大陸にある円形闘技場「コロシアム」がある街にやってきた世界撲滅委員会の三人。 そこでは日夜、人間の剣闘士たちが、獣人たちの見世物として命がけの戦いを強いられていた。 キリエ、モルテとはぐれてしまったトッピーは二人を探しているうちに、ともに勇者となると誓い合った旧友ヤッピーと数十年ぶりに再会した。 そして最近コロシアムに連れ込まれたという人間の二人組の噂を耳にする。
焼け付くような日差しが降り注ぐ夏の大陸にたどり着いた世界撲滅委員会の三人。 キリエは長旅の疲れがたたって倒れてこんでしまう。 病院のベッドの上にてキリエが目を覚ましたとき、彼を治療していたのは獣人のゾウ師であった。 ゾウ師は慈善病院の院長であり、獣人や人間といった種族に分け隔てなく患者を受け入れているという。 順調に回復に向かうキリエであったが、モルテはゾウ師に疑いの目を向けていた。
旅の道中に立ち寄った夏の大陸のある街にて、身に覚えが全く無い「世界撲滅委員会のよる凶悪な悪行」のウワサを耳にする世界撲滅委員会の三人。 そこでトッピーは真相を解明するべく調査を始める。 また、世界救済委員会のナジャとリ・アもその悪行のウワサを聞きつけてその街にやってきた。 やがて明らかになる世界撲滅委員会を名乗る一行の正体。 そのときキリエはあるトラブルに直面していたのであった・・・。
危険な仕事を請け負い、秋の大陸までサンドシップを走らせる運び屋アガン。 キリエたち世界撲滅委員会も、アガンのサンドシップに便乗して秋の大陸を目指していた。 しかし、砂海の中を潜航していた世界救済委員会の潜砂艦が突如襲いかかり、アガンや積み荷とともに世界撲滅委員会の三人も潜砂艦の中に連行されてしまう。 なんとか逃走を試みるも、彼らのいる潜砂艦は深い砂海の底。果たして彼らの運命は!?
秋の大陸ある学園都市ガロア。 そこは人間と獣人が種族を超えて分け隔てなく共存する数少ない都市であった。 世界撲滅を志すモルテはこの街に強い違和感を覚え、孤独感をつのらせていた。 古びた図書館でモルテはエオルという名の獣人の青年と出会う。 エオルはモルテの亡くなった弟レーヴェを彷彿とさせた。 人間と獣人の争いにより弟を失ったモルテだが、エオルもまた人間と獣人の争いで姉を失っていたのであった。
秋の大陸にある機械文明が発展している街クロックタウン。 カラクリロボットが街中に存在するその街はデストラクト・コードの研究家と知られるワニ師が支配していた。 世界撲滅委員会がその地に足を踏み入れてほどなくして、ワニ師率いるカラクリ兵団がモルテたちに襲いかかる。 追い詰められた世界撲滅委員会、彼らの前に一体のロボットが現れるのだった。
なかなか世界撲滅委員会を捕らえることが出来ないナジャとリ・ア。 世界救済委員会を治めるワシ師は彼らにしばらくの謹慎処分を言い渡し、自らが世界撲滅委員会討伐に乗り出す。 そのころ世界撲滅委員会の三人は運び屋アガンのサンドシップで、デストラクト・コードが指し示した地、冬の大陸にある竜の谷を目指していた。 それを知ったリ・アは三人を追い、独断で故郷でもある竜の谷へ向かうのだった。
追っ手から逃れ、世界撲滅委員会のキリエ、モルテ、トッピーが逃げ込んだ洞窟。 そこは記憶の迷宮への入り口であった。 頭の中で数々の記憶がフラッシュバックし、三人はいつしか夢幻の世界に迷い込む。 モルテが取り込まれたのは、安らぎに満ちた幼い頃の記憶の中。 今はもうとりもどせない家族の温もりにふれ、モルテは現実の世界へかえることを拒絶するが・・・。
時は満ちた。 失われた記憶がよみがえり、デストラクト・コードが発動する。 世界が砂へと姿を変え、モルテの願いは現実のものとなろうとしていた。 崩れゆく景色の中、モルテの瞳に映るのは、トッピー、ナジャ、リ・ア、アガン、そして燃えるような赤い髪をした、青年。 「・・・このまま世界が滅びてもいいの?」 世界撲滅をめぐる戦いが今、終焉を迎える――――。