私、日向ひまわりは忍者に憧れてる普通の高校生。……えっ? 忍者に憧れてるところがすでに珍しい? そうかなぁ。なぜ忍者に憧れてるかというと、私は小さい頃に飛行機事故に遭ったんだけど、
そこで忍者さんが助けてくれたからなの。だから私も忍者になって人助けがしたくて、くノ一を育てるっていう私立志能備学園へ入学することになったんだけど……忍者らしく凧で空を飛んでいて、そのあと着陸準備に失敗しちゃって大変な目に。でもそこを助けてくれたのが万里小路ハヤト先生。これってもしや、運命の出会いなのかな!? ばっちゃが言ってたんだ。「忍者たるもの、命を助けられし時はその恩人を生涯の主人として契りを結ぶべし」って。ハヤト先生が運命の人なんだ、きっと!
でもハヤト先生、初日から「赴任をやめる」とか言ってたけど、どういうことなんだろう。やつがしら校長先生から「普通の感覚を教え込んでもらいます」って告げられたとき、なんか機嫌が悪そうだった。それで、学校を出て行っちゃったハヤト先生をさがしてたらびっくりしたよ。今度はハヤト先生が危険な目に遭ってたんだもん。そこは私がすぐ助けに行って、間一髪で救出! 名作忍者映画のDVDで見たことが役立ったよ~! でもそのあと、ハヤト先生はまた出て行っちゃった……。
と思ったら、志能備学園で見かけた人たちが私の前に姿を見せた。学園の生徒で、名前はあとで知ったんだけど、しきみさん、あざみさん、ゆすらさん、ヒメジさんっていうんだって。で、その人たちがいきなり私に勝負を挑んできたんだ。自分たちでエリートっていうだけあって忍者としての実力は私よりも断然スゴイ! そんなとき、ご主人様が私のために戻ってきてくれたの! そう、ハヤト先生は生涯の主人となる人、だから「ご主人様」って呼ぶことにしたんだ。それに、ご主人様に助けられたのは一度だけじゃない気がする。だって、飛行機事故のときに助けてくれた忍者さんにあったアザが、ご主人様にもあるみたいだし……。だからこれからも私、日向ひまわりは、ご主人様をお守りしますっ!
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