控えめに言って超絶大傑作だった。まず、監督が僕のオールタイムベストアニメである「けいおん！」や「たまこラブストーリー」「リズと青い鳥」の山田尚子な時点でこの作品が素晴らしい出来になる事は自明の理であるのだが、兎にも角にもアニメとして凄まじいのが今回の平家物語。物語は誰もが知っている「歴史」そのもの。だからこの物語がどうなるかという事で引っ張ったりはしない。だが、この歴史が「平家」の側から描かれるという事に意味がある。そのお陰で、まさに「諸行無常」としか言いようのない残酷な運命が登場人物に容赦なく降りかかる。その様を見つめていくのは、架空の主人公である琵琶法師のびわ。彼女がこの物語を「語り継ぐ」という行為がテーマ的にも非常に重要になっていくのに感動した。そして、その物語を紡ぐ作画、花や虫の姿、登場人物に左と右どちらの向きを向かせるか。などに計算が行き届いたカット割、悠木碧、早見沙織、櫻井孝宏、花江夏樹、岡本信彦、杉田智和ら超豪華声優陣のベストアクト。全ての要素が完璧に調和し、大傑作を生み出している。最終回のラストのラストで立った鳥肌が今でも残っている。圧倒的大傑作。
