シュローダーさんの映画レビュー・感想・評価

シュローダー

シュローダー

基本はツイッターがメイン。こっちの方ではツイッターの方では伝えきれなかったニュアンスを含んだ文章を書いています。★3以下は個人的に合わなかった映画。★3.1から3.9が惜しいと感じた映画★4.0から4.9が好き、ないしは大好き。★5はその年のベスト10級またはオールタイムベスト級

映画(196)
ドラマ(0)

メランコリア(2011年製作の映画)

4.8

メランコリア "憂鬱" それは本来、全ての人間が普遍的に内包する感情であり、寧ろ「恋人」の様なものなのかもしれない。自分の結婚式を滅茶苦茶にしてしまう躁鬱気味の女性 ジャスティン 巨大惑星の衝突が迫>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.3

ヨルゴスランディモスはやはりブレない。観客を気持ちよく帰すような映画を、彼が撮るわけがない。18世紀初頭のイングランド。わがままで人一倍虚弱な女王 アンと、彼女に付き従う側近 サラ。そこに田舎の没落し>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.0

はっきり言う。僕はこの映画の事がよくわからない。なので、感想も書きようがない。前作「ロブスター」よりも先にこっちを観たが、あちらよりもさらに寓話的な側面を強めたお陰で、側から見たら何の話をしているのか>>続きを読む

マネーボール(2011年製作の映画)

4.5

野球というスポーツに一切の興味を持たない自分の様な人間でも、非常に楽しめた。何故なら、この映画で描かれるのは、「定められていた体制に反抗する反逆者」の物語であり、「冷徹な男が人情によって変わっていく」>>続きを読む

バートン・フィンク(1991年製作の映画)

4.8

やられた。ここまで作り手の手のひらの上で踊らされると、全面的に降伏するしかない。1941年 ハリウッドに招かれた劇作家 バートンフィンクは、プロレスラー物のB級映画の脚本を依頼される。しかし、脚本は一>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

5.0

永遠とも思える孤独の果てに、ニールアームストロングという男が辿り着いた「ここではないどこか」彼の人生は、全てあの瞬間に訪れた「魂の解放」を感じる為に存在したのかもしれない。デイミアンチャゼルという稀代>>続きを読む

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.8

日本のクライムサスペンスとしてはこの映画に敵うのはそれこそ「劇場版パトレイバー」くらいのものだろう。しかも、彼方より断然後ろ暗い欲望を刺激してくれる。恐らく梶井基次郎の「檸檬」が根底にあるであろうプロ>>続きを読む

アクアマン(2018年製作の映画)

3.3

ニコールキッドマンはいくつになっても美人だなぁ… という事しか覚えていない。観たのはつい数時間前のはずなのに。あの悪名高きDCEUにしては眼を見張る絶賛を浴びていたので、期待して観に行ったが、全然ハマ>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.8

映画ファンの間ではかなり好みが分かれ、ある種のリトマス試験紙として機能している作品である。僕の評価はどうか。絶賛派である。というのも、僕はデイミアンチャゼルという監督が前作「セッション」から引き続き描>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

5.0

この映画をどのように捉えるか。それ次第で、僕は人との付き合い方を変えるかもしれない。それ程までに、この映画には我々観客を徹底的に突き放す皮肉と、戯画化された真実がある。この感覚こそ、映画という表現に身>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.8

前半、前半だけなら文句無しの傑作なのに… 肝心のミステリー展開が始まってから一気にクールダウンしてしまう惜しすぎる作品になってしまった。アルバイトで生計を立てる小説家志望の青年ジョンスは、幼なじみの女>>続きを読む

勝手にしやがれ(1959年製作の映画)

4.8

「密告者は密告し、強盗は強盗し、恋人は恋をする」ヌーヴェルバーグの記念碑的作品であり、誰が観ても楽しめるタイプの傑作である。シーン毎の連なりを無視してカットをつなげるジャンプカット。市街地でゲリラ的に>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしい。オリジナルよりも断然此方の方が鮮烈で、難解で、美しい。本作ほど言語化に困る作品も珍しいが、僕は観ている間、アドレナリンが止まらなかった。冒頭、クロエグレースモレッツ演じるパトリシアが精神科>>続きを読む

サスペリア(1977年製作の映画)

3.8

ルカ・グァダ二ーノによるリメイク版が控えているが、ダリオアルジェントによるこのオリジナルも、やはりクラシックとして語られるべき作品であろう。とにかく目に焼き付いて離れない鮮烈なカラーイメージ。鮮血の赤>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.8

天使と人間 或いは、東と西か。この映画は"壁"なんか無い世界のための福音書だ。そう思えば思うほど、この映画が実に愛おしく感じてならない。子供にしかその存在は見えない"天使"は、人々の行動を記憶し、落ち>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

5.0

断言する、後の時代の「ループ物」と呼ばれるジャンルは、全てがこの作品の上に成り立っている。涼宮ハルヒの憂鬱の「エンドレスエイト」然り、「魔法少女まどか☆マギカ」然り、「カゲロウデイズ」然り、「青春ブタ>>続きを読む

機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

4.8

ちょうど本作は、「攻殻機動隊」に於ける「イノセンス」の立ち位置と非常に近い。つまり、1作目が比較的娯楽性を担保しながらも、深く考えさせられるテーマ性を同時に担保していたが、2作目でセンシティブなテーマ>>続きを読む

機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989年製作の映画)

4.8

最初から最後まで徹頭徹尾しっかりと面白い。サスペンスとしても、後々に「交渉人真下正義」で無節操にパクられる程、完成度が高い。犯人が最初に自殺してしまい、「不在の中心」と化してしまうという展開は、「セブ>>続きを読む

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)

4.2

非の打ち所がない傑作であった前2作と比べてしまうと、やはり評価は落ちる。映画としてのテンションも明らかに落ちている。だが、それでも光るものは存在する。3部作の最後で敢えてテーマを更にミニマムにするとい>>続きを読む

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.8

前作に負けず劣らずの名作。それどころか、ありとあらゆる"続編"の中でも、トップクラスの完成度ではなかろうか。前作でも非常に強調されていた"対比"の妙が、今作ではヴィトーがアメリカに渡り栄華を極めていく>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.8

やはりいつ観ても、この映画の重厚さには圧倒されてしまう。非常に長い尺ではあるが、それが全て物語の世界観を語るために必要な長さであり、何より飽きないのだから全く問題は無い。まず特筆すべきは、ゴードンウィ>>続きを読む

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

4.5

Filmarks試写にて。核心に触れる事は言わない。ただ一つ言えるのは、シャマランは"イーストレイル177トリロジー”を見事に成功させたという事だ。不死身の体と常人離れした筋力を持つ男 デイヴィッド・>>続きを読む

アンブレイカブル(2000年製作の映画)

4.5

早すぎた傑作にして、シャマラン監督作の中では「ヴィジット」に次いで大好きな作品だ。しかし、シャマラン映画の中では割と地味な扱いを受けている印象もある。それもそのはずで、基本的にアクションらしいアクショ>>続きを読む

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)

3.9

この映画は「ドラゴ チャンプを奪う者たち」であるべきだった。断じて「クリード2」では無い。何故ならば、主人公であるアドニスを巡る描写が、よく言えば堅実。悪く言えば退屈で平板であるからだ。特に、テッサト>>続きを読む

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

4.8

「ロッキー ザ・ファイナル」で、現実と虚構が見事に繋がったあのエンドロールを観た瞬間、これの続きを作るなんて大丈夫かと心配したものだったが、蓋を開けてみれば、ロッキーの精神を見事に継承し、新世代へとバ>>続きを読む

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)

4.3

リドリースコット御大将が職人仕事を見せつけた快作にして傑作。観ている間「面白ぇなこの映画は」と呟くのを止められなかった。とにかく凄いのは、撮影がケビンスペイシーのお陰で揉めに揉めたのにも関わらず、それ>>続きを読む

斬、(2018年製作の映画)

4.3

所謂、時代劇が持つような、"斬り捨て御免"的なカタルシスは本作には皆無である。暴力の連鎖がもたらす悲劇。一度人を殺してしまってはもう後戻り出来ないという普遍。日本刀という"刃物"が人の皮や肉を斬る時、>>続きを読む

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

4.0

この映画の「年間ベスト12位」くらいの位置が、なんともちょうど良く思えてしまう。良いところも悪いところもバランスよく配置されていて、適度に「面白すぎない」この構成は、4回目の映画化となる「スタァ誕生」>>続きを読む

聖の青春(2016年製作の映画)

4.3

我々が逆立ちしても勝てない人間がいるとすれば、村山聖のような人間の事を言うのだろう。とにかく圧倒されてしまった。僅か29歳でこの世を去ってしまった天才棋士 村山聖の半生を描く。彼は、将棋以外の事柄には>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.0

人は人生の意味を知るのを「待ち続ける」のだとしたら。この映画は、その意味を探求し続ける事に"なってしまった"男の孤独な旅路を描く。まずこの映画が始まって思う事は、異常にゆったりとしたテンポと、長い長い>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

最早溜息しか出ない程、ひたすらに美しい。「映画」という、スクリーンの中に広がるもう一つの世界を、これ以上なく表現しきった作品は無いだろう。1970年のメキシコシティ。中流階級の家で家政婦を務めるクレオ>>続きを読む

インスタントカメラ(2017年製作の映画)

1.5

後出しジャンケンで急造されたかのような物語はさして胸を打つ訳でもなく、ただひたすらに"それっぽい"街並みの画が繋がっているだけ。人が渋谷を歩いたり、花火をしたりして面白いのは、そこにそれまでのキャラク>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

徹頭徹尾"厭"な映画である事は確かだ。コミュニケーションのすれ違い 言ってはいけない事を言ってしまう事 ノイズとなる音 見たくない光景 それらの要素は今年度でも随一と言える。特に、食事シーンの最悪さは>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.5

説明は必要最低限。キャラの紹介が済んだら、後は地獄へ一直線。素っ気ない癖に、こちらを地獄へ引きずりこむ手際は人一倍という意地悪さ。稀代のサディスト監督ウィリアムフリードキンは全く情け容赦がない。トラッ>>続きを読む

ロボコップ(1987年製作の映画)

4.5

映画秘宝アートディレクターにして、僕が最も信頼を寄せる映画評論家の一人 高橋ヨシキ大先生がこんな事を仰っていた「全部の映画がヴァーホーベンが監督すれば良いのに」この映画を観れば、それが迷言ではなく、名>>続きを読む

スキャナーズ(1981年製作の映画)

4.5

やはりデヴィッドクローネンバーグ程信頼の置ける映画監督は居ないとひしひしと感じる一作だった。要人警護の国際的警備保障会社コンセック。超能力の利用を推し進めていた同社の研究所へと運び込まれた浮浪者のカメ>>続きを読む

>|