滝和也

魔法科高校の劣等生の滝和也のレビュー・感想・評価

魔法科高校の劣等生(2014年製作のアニメ)
3.8
女性が望む理想の兄
男性が望む理想の妹

優劣が魔法力のみで
決まる魔法科学院に
希代の兄妹が入学する…
その隠された能力とは…
圧倒的な痛快さで贈る

「魔法科高校の劣等生」

魔法・バトルアクションの学園モノ(笑)ハリー・ポッターをよりSFアクション化した上に兄妹愛をぶっこんだ感じでしょうか。劣等生の題名の如く、下剋上モノの意味合いもありますが…どちらかといえば能ある鷹は爪を隠すの方ですね。

司馬達也と深雪の兄妹は国立魔法大学第一高校へ入学した。その学園には一課生優等、二課生劣等という入学時に決定される悪しき伝統があった。妹深雪は抜群の魔法力を誇り首席で入学するも、兄達也は魔法力が足りず、二課生であったが…。兄達也には隠された経歴、能力があった…。

痛快無比なストーリーが圧倒的に面白い。達也自体がクールかつ圧倒的な力を実は秘めていて、それが少しづつ明らかになっていく。入学編ではその体術、身体能力、発想力が明らかにされていく。また九校戦編はハリー・ポッターでもあった学校対抗魔法スポーツ戦であり、こちらはエンジニア部分で圧倒的な知能、技術力を見せつけ、自身が出場せざる得なくなった際の戦略眼、経験値を見せつける。また不正、妨害を行ったマフィアへの容赦なさ、怒りの凄まじさをあらわにしている。更に横浜争乱編にて、過去の経歴が明らかになった上…圧倒的な隠された能力を見せつける。正に圧倒的なスーパーヒーローなのだ。

魔法力の基準が物体の完全な変換もしくは創造であれば…彼はほぼ0点だ。彼にできるのは…分解と再構築。この能力は実は他者の生殺与奪権を完璧に持っている。人やものに対し原子のチリまで分解できることは…戦略兵器として描かれてくる。更に怪我をした自分や他者の時間を巻き戻したかのように治し再構築できる…。故に最強なのだ。極端な話、勉強ができずとも人を治せる能力を持つ場合…成績は悪いということなのだ…。このストーリーは一つの目安だけで人は評価できないことを示している。

また作中のヒロイン妹深雪は正にお姫様であり、完璧な妹。兄を愛しすぎている…そこが息抜きのコメディ部分になっている。彼女をメインとしたスピンオフもあり、人気だろう。他の学友たち、生徒会(学園モノらしい)も個性派揃いで、一芸に秀でていて魅力があり、ストーリーに上手く絡んできている。

学園モノでありながら、実際はテロや他国の侵攻が描かれており、アイデアもスケールもどんどん広がっている。兄達也が陸軍の特尉という設定が更に生きる。高校生でありながらも魔法力や戦闘力が高ければまぁありな世界だからだろう(笑)

この手の学園モノは数あれど音楽や演出もよく、主人公の存在感も中村悠一さんの演技もハマっていて抜群だけに、人気だったのは理解できる。今年第3クールも決まっているので楽しみです。
滝和也

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