浅野公喜

巨神ゴーグの浅野公喜のレビュー・感想・評価

巨神ゴーグ(1984年製作のアニメ)
3.8
ある少年が南洋の孤島でゴーグというロボットに出逢う、ガンダムでお馴染み安彦良和3原作監督キャラクターデザインメカデザイン等を手掛けた80sアニメ。

ロボットアニメにカテゴライズされそうですが、作中のメインとなるロボット・ゴーグは「アイアン・ジャイアント」の様に自分の意思を持ち、主人公・悠宇自身が操縦するわけではなく上に乗っかったり時に指示を出したりするというのがちょっとユニークで、南の島を舞台にしたアドベンチャー物とも言えそうな内容が新鮮でもある作品でした。鑑賞中は楽しめていたのにソツがないというか癖が強くないというか、鑑賞後は意外と強い印象が残らないのが不思議な点でも有るのですが(「アリオン」にも言えるかもしれませんがストーリーの作り方がもしかすると安彦3の弱い所かも)、主人公が中学生なのに命の危機に瀕したりと結構スリリングですし船長が異様に頼もしく時に悪役の女性にも容赦なかったりと今では難しい(?)描写が用意され、放送前に完成していた為か作画は安定していますし、最初の3話まではゴーグは登場せずアクション要素強めの逃走劇だったりと、Vガンダムがスポンサーの都合で無理矢理1話からガンダムを登場させて厄介な事になっていたのを考えれば非常に挑戦的というか、贅沢な作りだなと思いました。大袈裟ですがちょっと忘れかけていた少年時代のロマンを取り戻してくれる作品とも言えそうです。

ゴーグのデザインはエルガイムと比べると重量感が見受けられますが、野暮ったさはそこまで感じない所が80年代中盤らしいかもしれません。オープニングテーマ「輝く瞳」を歌っているのはTAKUという方で、ネット上では横浜銀蝿の同名のベーシストでは、と言われていますがどうも違うらしく、エンディングテーマを歌っていたSTEAVEという人と共にその正体が謎なのが気になる所です。
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