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PLUTOのyuuuumiのレビュー・感想・評価

PLUTO(2023年製作のアニメ)
4.2
浦沢直樹、手塚治虫原作によるSF作品。

これは予告編で観たくなった。

感情のあるロボットが戦争兵器として暗躍したり、少しもの悲しい物語が、それぞれの登場人物と交差しながら描かれていく。

盲目のピアニストのエピソードに登場するのは、もしかしてブラック・ジャックかも?とか、未来のロボットが人間と共存しながら生きる姿を描いたヒューマンドラマだ。

鉄腕アトムは、アトムのキャラしか知らないし、ストーリーも実は知らない。
それでもこの物語は楽しめ、アトムという少年の姿をしたロボットの登場から、物語は進み出す。

この作品で一番印象に残っている事が、人間は辛い出来事を忘れる事ができるが、ロボットはメモリを消去しない限り記憶を消す事ができないという事だ。そして違う記憶を操作する事もできてしまう事が恐ろしいし、この作品のロボットは感情があるだけに、それがまた辛い。

人間の忘れられない悲しみや、そこから生まれる憎しみや怒りが巻き起こす陰謀がミステリー仕立てに描かれていて、そんな人間の感情に巻き込まれるロボットであるゲジヒト刑事と共に謎を解き明かしていく物語はとても面白かったし、精緻なブラウという破壊されたロボットを浦沢直樹さんが一筆一筆実際に描いているという事も素晴らしかった。

とてもスケールの大きな作品だった。
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