三樹夫

勇気爆発バーンブレイバーンの三樹夫のレビュー・感想・評価

勇気爆発バーンブレイバーン(2024年製作のアニメ)
2.7
『ダンガイオー』や『アクエリオン』など他作品の細かいパロディネタが散りばめられているものの基本的には勇者シリーズやエルドランシリーズのパロディアニメだが、センスが10年ぐらい古いと感じた。取り扱っているテーマが古いのではなく単純にセンスが古い。アニメは往々にしてそれ最低でも10年ぐらいセンス古くない?というのに遭遇する。2000年代に入ってもハリセンツッコミをしていたり、この音楽10年前ぐらいのJPOPじゃないというのがあったり、アニメにおけるジェンダー感や女性キャラへの周回遅れっぷりは今更言ってもしょうがないのかもしれないが、特に笑いと音楽に関してセンスが古いと感じることがよくある。
アニメの笑いに関しては「箸が転んでもおかしい」というようなのを作っている側も期待しているし、観ている側もそれで満足しているように思うのでWin-Winな関係が出来ているのかもしれず、外部がゴチャゴチャ言う方がおかしいのかもしれないが、例えば『ゾンビランドサガ』は生首転がりゃ面白いというのが「箸が転んでもおかしい」感が凄かった。
このアニメの笑いの核はやおいネタになっており、まだこんなことやってるんだと思った。一番の笑いポイントの「お前が歌うんかい」も、『ごっつ』があって『水曜日のダウンタウン』があった上でこれだし、周回遅れ感がある。
ルルはまんまBorn Sexy Yesterday(無知で純粋でセクシーな女性)だったし、同時期に『哀れなるものたち』が公開されていたことで余計にそう思った。頑なにルルは子供のままだったが(でも体は成熟しておりセクシーという)、何故そこまでして精神を成長させず子供のままにしておくのか疑問がわく。

このアニメを観て思い出すのが『アクエリオンEVOL』で、両作とも出オチで終わってしまったアニメというように思う。このアニメは最初はブレイバーンが何か企んでいるのか単にあたおかなのか分からず、そこのところがフックになっていたが途中からそれもなくなり、後に残ったのはパロディネタとやおいネタで、笑いに関してはセンスが古い上に単純にそんなに面白いものでもなかったので、途中からは視聴を引き付けられるものはなく、せっかくここまで観たから最後まで観るかという貧乏性の惰性で観た。
最後に助けが来たシーンで全員に一言ずつ台詞がある演出もダッセぇな。子供向けのマンガアニメの演出とかでよくあるけど(子供向けだからってそんなクソダサ演出をしてくるのは子供を舐めているだけだと思うが)、それのパロディだったのか単純に演出センスの問題なのか分からんが、このアニメを観て残るのは、センスの古いアニメだったというのが一番大きく残る。
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