シズヲ

スペース☆ダンディ シーズン2のシズヲのレビュー・感想・評価

3.9
「スペース・ダンディは宇宙のダンディである―――」

こっちも1 ~2クールまとめてレビュー。渡辺監督を始めとする多数のアニメーター陣の趣味に基づいたパロディ的内容の連作。要するに『サムライチャンプルー』の埋蔵金回を毎度やっているような感じの狂気的アニメ。作家陣があらゆる方面から好き勝手に渋いネタを引っ張り出してくる上、基本的にエピソードが連続していない(前話でダンディがくたばっても次の話では何事もなく生きてたりする)ので兎に角自由奔放。普通のドタバタギャグや不条理ネタ、ほんのり切ないエピソードからミュージカル回まで、題材はほぼ何でもアリ。そんな内容が高水準のアニメーションで描かれる。『ビバナミダ』が流れるオープニングめちゃめちゃ好き。

1クール目は特に混沌としていて、中盤まで最早内容そのものが安定していない印象すらある。2クール目からはアニメーターの作家性もパロディ要素も地に足ついてくる(単にこっちが慣れてしまっただけかもしれないけど……)。ロックバンド回や学園ミュージカル回など、音楽絡みのエピソードは毎度賑やかで楽しくて好き。監督のオッチャン的センスが前面に出過ぎててあんまり笑えない描写もちらほらあるし、良くも悪くも好き勝手やっているせいでエピソードごとの浮き沈みも激しい。でもまあやっぱり楽しいアニメだった。『カウボーイビバップ』も好きだったしね(何気にセルフパロディ的要素がちらほらあって嬉しかった)。
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