#1話
bs11のファーストガンダム後番組としてオリジンやってたので、そのまま視聴。原作はつまみ食い程度、アニメは完全初見なので楽しみです。
まず驚くべきはその人物作画のアニメーション。
動きが丁寧とか枚数が多いとかその辺の作画クオリティの高さはもちろんのこと、〝安彦良和の漫画がそのまま動いている〟と言っても過言ではない驚くべき映像体験ができるアニメーションは他にあるまい。
まさに、安彦良和の凄まじい執念を感じた。
コンテもガッツリ描いてるみたいだし…もうすっかり漫画家になってしまったと思っていたが…アニメの方もぜんぜん現役でいけるな!
(安彦版ククルスドアンは未見)
ただそれ故に、メカ周りが3DCGなのが悔やまれる…
いや、メカを3DCGにしたからこそ、ここまで安彦良和が徹底的に制作に参加し、人物作画のここまでのクオリティも実現できたと言うべきか。
コミカルすぎる絵柄が嫌だという感想も見るが、ザビ家がイキイキと描かれているのはいいと思う。
「敵も同じ人間」は、ファーストガンダムの重要なテーマの1つなので。
ところでこのガンダムオリジン、アニメ版はまぁほぼシャア前史といった感じで。
ストーリーや設定には、まぁオリジナル版と矛盾や解釈違いががあるということで賛否両論も仕方ないと思うが…
オリジナルの設定だと、シャアの復讐譚は〝父親を殺されたこと〟に端を発していたように見えたが、このオリジンでは、どう見ても〝母親が死んだこと〟が復讐の発端になっているように見えるんだよな。
しかし、オリジナル版の終盤や、その後のシャアを見ていくと、彼がマザコンであることは言うまでもないので、この辺はオリジンの経歴の方がしっくりきた。
またファーストガンダムの1年戦争は、ニューエイジ=ニュータイプ=新しい世代の持った希望が戦争を(一応は)終わらせた(あるいはニュータイプ思想の継承者シャアが反体制革命を成功させた――そもそもジオン・ズム・ダイクンの理想は連邦という体制への反発であった)1stガンダム(特に劇場版)は、学生運動の敗北と内ゲバによる粛清の嵐という絶望を見た富野ら団塊世代にとっての、「学生運動(あるいはヒッピーのラブ&ピース活動)の成功」を描いた、全共闘世代の「夢」だとも取れ、さらにその後のZの内戦はリアルな内ゲバである…という解釈は、ファーストガンダムやZガンダムの感想に描いたとおりなのだが…
正確には富野由悠季・宮崎駿は60年安保の方で、富野由悠季は学生運動に直接参加はしていないものの、思想的にはこの世代特有のものを背負っていることは間違いない。
しかし70年安保の典型的な学生運動世代は富野由悠季より少し下の世代の安彦良和であり、このガンダムオリジンのジオン物語なんかは、1年戦争以上に、いかにも学生運動の投影に見えて面白い
(この思想上の違いが、結局別離を招くことになったのだが…)
しかし、テレビ版で見ていると…EDが本編すぎる…
GLIM SPANKYの「めぐりあい」、よすぎるんよ…
あと、パズーがシャアになるのは面白すぎる。
#6話
OVAでは第3章「暁の蜂起」編のクライマックス――全体の中間点にあたり、宇宙世紀的に見ても1年戦争の端緒とも言えるポイントで、面白かった。
このガンダムオリジン、アニメ版はまぁほぼシャア前史といった感じで完全にシャアが主人公なのだが…シャア(本物)との入れ替わりとか、復讐のための物語とか、ガルマとの複雑な関係性とか、ガンダムっぽくはないが、ピカレスクロマンとして素直に面白い。
ジオン誕生の経緯やランバ・ラルの掘り下げとかも、ファーストファンとしては楽しめるところだと思うが…
個人的によかったのは、ザビ家がイキイキと描かれていること。
コミカルすぎる絵柄が嫌だという意見もわからないではないが…「敵も同じ人間」は、ファーストガンダムの重要なテーマの1つなので。
ドズルが完全に癒やしキャラでかわいい。ガルマもいいけどね。
まさかあのキャラが嫁になるとか思わなんだ…
「安彦良和版」とはいえ、この辺まではそこまでオリジナル(富野)版と矛盾するところ少なく(というよりは、オリジナルのアニメではシャアやジオンの前史がほぼ明言されていないだけだが)、素直に楽しめるかと。
(逆に言うと、これ以上先に進むと、オリジナル版との矛盾や差異が目立ってきて、オリジナル版が好きな人にはその辺の差異がノイズになってあまり物語に乗れなくなってきてしまうので惜しい)
#9話
ガンダムオリジン(アニメ版)、シャアが主人公かと思ったら、ドズルが主人公だったのか…
役回りが完全にSWプリクエルのアナキンだし、一番魅力なキャラクターとして描かれてんじゃんよ…