文化的価値の高いデザインを施された照明器具を扱うセレクトショップを舞台にした25分全5回。
主演は黒島結菜。
東日本大震災を機に家族との溝ができてしまったハルカは、東京で就職するものの社会の理不尽さに辛い日々が続きふさぎ込む。
そんな時たまたま通りかかったこの照明のセレクトショップの明かりに救われ、やがてこの店で働き出す。
毎回、さまざまなストーリーを抱えたゲスト出演者が名作照明器具と出会い、その明かりに癒やされ救済される。
エピソードはどれも手堅くまとめられているが、さすがにこの短時間では描き込みが足りないかなと思うものもある。
特に歳の離れたゲイカップルのエピソードは、もう少し時間をかけたかった。
ドラマ全体のトーンに派手さはなく、そういう意味ではネット配信や民放でなかなか通り難い企画。
NHKの面目躍如だと思う。
どういうわけかNHK教育で放送されたんだが。
たくさんの名作照明器具の中で働くハルカが、まるで自らもそのひとつになったかのようなオフホワイトのニットワンピ姿で、なかなかにスタイリッシュ。
もうちょっとバジェットが大きければ、エピソード毎の楽しみのひとつにできたんだろうが、ワンポーズのみで残念ながら毎回同じ。
情緒過多、いわゆるエモおばけみたいな気色悪さはなく、さらさらした気持ちいいドラマでした。