てっちゃん

どうする家康のてっちゃんのレビュー・感想・評価

どうする家康(2023年製作のドラマ)
4.0
いろんな意味で物議をかもした大河ドラマ第62作目。戦国ものとは思えないほどの華麗で軽やかなテーマ曲、「神の君」を連呼するナレーション。ひ弱で泣き虫な家康(松本潤)。やたらと出てくるダンス「えびすくい」。出演者までもが驚いたという超ロングパスの伏線回収、「コンフィデンスJP」ばりに多用される、逆回転の数々など、「あざとい」と思わせる演出があちこちに。
「関ヶ原」から「大坂の陣」に至るまでをクライマックスに配置し、壮絶な合戦を繰り広げた後に、驚きの「ファンタジー」として幕を閉じる。
武田信玄(阿部寛)、織田信長(岡田准一)、豊臣秀吉(ムロツヨシ)などなど、個性的な配役も面白かったのですが、白眉は、お市の方と茶々の二役を演じた北川景子が素晴らしいこと。紅蓮の炎に包まれながら、三島由紀夫ばりに「言霊」を吐き、自刃する。もう完全に信長より信長になったんじゃないかと。
この一年、楽しませてもらいました。

「日ノ本か。つまらぬ国になるであろう。正々堂々と戦うこともせず、万事長きものに巻かれ、人目ばかりを気にし、陰でのみ妬み、あざける。優しくて、卑屈なか弱き者たちの国。己の夢と野心のために、形振(なりふり)構わず力のみを信じて戦い抜く!かつて、この国の荒れ野を駆け巡った者たちは、もう現れぬ。茶々は、ようやりました」
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