てっちゃん

いちばんすきな花のてっちゃんのレビュー・感想・評価

いちばんすきな花(2023年製作のドラマ)
5.0
今シーズン、もっとも嵌ったドラマ。お気に入りの多部未華子が主演ということで初回から鑑賞しましたが「男女の友情」とちょいと面倒くさいテーマだなあ、なんて観ていたらそこに留まらない「関係性」の物語。
本作はある意味、朝井リョウの「正欲」でも描かれた個人の価値観と自分を取り巻く世界とのバランスに思い悩む物語であり、まさに現代的な「ダイバーシティ」に通ずる話なのかと。

それでも脚本の良さと、ゆくえ(多部未華子)、椿(松下洸平)、夜々(今田美桜)、紅葉(神尾楓珠)という個性的な4人組主要キャラ、さらにそこに絡む人々が繰り広げる物語が絶妙。そして、この偶然出会った4人に「共通」した人物として後半で立ち上がる志木美鳥(田中麗奈)がクライマックスではメイン級の存在感に。
生きにくい時代の希望のファンタジア。良いドラマでした。

「みんなの良い人にはなれるのに、誰か1人の一番好きな人にはなれなくて」
「みんなと同じ気持ちになれないって、怖いんですよ」
「言っちゃだめなことはたくさんあるけど、思っちゃだめなことはないです」
「そっちの勝手な罪悪感でこっちの良い思い出塗りつぶさないでよ」
「他人の価値観に理解なんて出来ないよ。知ってくれたらいい。干渉しなければいい」
「誰かの前だけの自分ってあるじゃないですか」
「みんなもっと他人に無関心に生きたらいいのにね」
「無理やり理由つけて、好きとか嫌いとか決めなくていいんだよ」
「嫌いな自分を否定してもらうことで、自分の気持ちを肯定してもらえた」
「人の価値観否定するのはダメだけど、でも受け入れなきゃいけないってことはないよ」
「いちばん好きな人は、一人じゃなくていい」
てっちゃん

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