HAL

どうする家康のHALのレビュー・感想・評価

どうする家康(2023年製作のドラマ)
3.6
『どうする家康』31話、普請中の大阪城がデススターみたいに映し出されて震えた。

34話「豊臣の花嫁」、次回予告の「数正のあほたわけ!」と叫ぶシーンはこういうことだったのね……家康、山場ではエモや家臣への愛を優先する作劇が「俺はこのスタイルでいく!」って感じで清々しい。信長もまた情に満ちていたのでムロツヨシ秀吉のヒールっぷりに一層磨きがかかる。

というわけですごい溜めてしまって最近観終わったのだけれど、こう言ってしまってはなんだが『鎌倉殿の13人』のような容赦のない展開や脚本の爆発力というものはなかった代わりに「松本潤に家康をやらせ人情たっぷりの泣かせの戦国を描く」という点に関してはもう真っ直ぐやり遂げていて偉いと思った。やはり少しパンチが弱いとは思うが、まぁ時代が時代なので、阿部寛の信玄、岡田准一の信長、ムロツヨシの秀長、中村七之助の三成、そして(蘇る)北川景子の茶々など、いい塩梅 に味が濃いヒールが投入されていくのでわりとサービス過剰な大河ではあった(あともっと出て欲しかった佐藤浩市の真田昌幸!)。信長パパを藤岡弘、にやらせるのはめちゃくちゃずるいと思ったし、この親にしてこの子……!という謎の説得力があった。

あ、あと、地味にすごい評価してるのはユーモアに満ちていてそれでいてカッコいいタイトルロゴ(完走記念として手帳にロゴを手書き写した)と、それを含めたオープニングアニメーションとその曲。すごいいい仕事してたと思ったし、勇壮になり過ぎず、それでいてどこか繊細で楽天的な曲の変調がとても心地よかった。松山ケンイチ繋がりで今は『虎に翼』にどハマりしているけど、やっぱり素晴らしいオープニングを何度も観れるというのは幸せなことだよな……
HAL

HAL