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FM999 999WOMEN‘S SONGSのtetsuのレビュー・感想・評価

FM999 999WOMEN‘S SONGS(2021年製作のドラマ)
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Filmarksさん主催のオンライン試写会で鑑賞。


[概要]

『そうして私たちはプールに金魚を、』や『ウィーアーリトルゾンビーズ』の長久允監督による音楽ドラマ。
16才の誕生日を迎えた主人公が、「女って何?」と疑問を抱いたことから、脳内ラジオのDJが様々な女性を紹介していく。


[感想]

ミュージカルドラマを期待して鑑賞すると、むしろ、音楽番組に近いテイストに虚を衝かれる作品。

そのため、1話の時点では、評価が難しいが、過去作品とガラッと異なる作風は、今後の監督作にとっても大きな転換点となりそう。

今年話題になった『ワンダヴィジョン』同様、少しずつ、化けるタイプの作品なのも確かなので、今後、より深掘りされていくであろう主人公の女性観や父親との関係性が楽しみな作品。


以下、若干、ネタバレの危険性あり。


[各話感想]

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第1話
『女ってなに?』

[ゲスト]
宮沢りえ、メイリン、菅原小春

[感想]
突拍子のない展開には振り落とされそうになるものの、監督の個性が爆発した映像、MVのような歌唱パートに惹き付けられる初回。
主人公と、謎の女たちが直接話すのではなく、映像越しに会話をするという、チープなようでいて、逆に不思議な世界観が醸し出される演出に驚かされた。
アダムとイブのエピソードを現代的なジェンダー観で突っ込んだ楽曲のセンスや、役者の名演技を十二分に活かしたトークパート。
特に、主演・湯川ひなさんと菅原小春さん(『(死なない)憂国』)といった長久作品の続投勢は、安定の魅力を爆発させており、これだけでも観る価値はある。
個人的には、かつて、湯川ひなさん主演で制作されたショートムービー"そこだけ雨が降る女"をセルフリメイクとして、復活させたことにテンションが上がった。

参考
The Woman It Rains On (そこだけ雨が降る女) on Vimeo
https://vimeo.com/249787763
(その元ネタがコチラ。)

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第2話
『女と労働』

[ゲスト]
塩塚モエカ、太田莉菜、八代亜紀

[感想]
連続ドラマながらも妥協なしの楽曲センスに安定感を抱いた第2話。
前回に引き続き、独特な構造には未だ困惑はしたものの、恋人になり得ることが予感される同級生男子の登場など、少しずつ物語に進展が見え始め、期待感が上がった。
複数の映像をワイプ的に画面に映し出す手法や、八代亜紀さんの歌唱シーンがハイライト。
役者ごとに撮影をするという手法は、メンバーのスケジュール問題も考慮してのことだとは思うが、コロナ禍には適した方法だったのかも……。
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