まず松原智恵子の美しさにため息が出てしまう。
伊吹吾郎は存在感あり過ぎて最初っから怪しさいっぱいなんだよなあ。
ストーリーそのものは面白いし、美女シリーズ独特の雰囲気もあるし、役者陣が豪華なんだけど、謎がバレバレな演出でやっぱB級感が漂っちゃう。
まあそれが魅力でもあるんだけど。
美女二人の拷問シーンは初めて観た子どもの頃はドギマギしたっけ。
五十嵐めぐみ、大好きなんだけど、あのモンチッチみたいな髪型はなんか間違っちゃったのかしら？
そして荒井注の演技は素晴らしい。

川手一家を狙う三重渦状紋という指紋の持ち主が暗躍し不在の明智小五郎に代わり友人でもある医学博士兼私立探偵宗方隆一郎が捜査に乗り出す美女シリーズ3作目。
マネキンに殺された裸の美女川手雪子（結城マミ）が紛れていたり、真犯人を尾行していた美女川手ハル子（三崎奈美）が次の場面では全裸で見世物小屋みたいな看板にくくりつけられていたりと放映されていただろうテレビのお茶の間お構いなしの猟奇性とエロスは流石です。なぜか死体が異常な白さになっているのですが乳房に押された三重渦状紋が不気味でインパクト大。
見張りが厳重な川手家から長女民子を誘拐してくるトリックといい被害者親子の前で復讐の動機たる劇を墓場で公開（案内役の女がさりげなく江戸川乱歩の名言を入れている）したり、更には川手庄太郎に顔を見せたりと宗方博士が「天才的犯人」と称する割には豪快かつ隙のある大雑把さが堪りません。川手の異母妹である北園竜子の愛人でありながら玄関ではなく庭先から現れる須藤邦夫（声からして怪しい）や博士の助手木島の表情が凄く怪しかったりと被害者を除く登場人物たちが怪しいのも特徴の一つです。
いろいろツッコミどころがありますがテンポが良いので考える間もなく民子と助手の文代の美女2名が死刑台を味わされる場面になります。民子の方はエドガー・アラン・ポー原作の『落とし穴と振り子』から引用していると思われますが文代の股割きは江戸時代の刑罰からの引用でしょうか。振り子が民子のブラジャーを切り裂いて乳房が露出したり上半身下着姿で苦悶の表情を浮かべる文代の姿を見るにテレビで観れる猟奇エロスの極北といえましょう。
このシリーズはタイトルどおりメインには必ず「美女」がいますが本作では宗方博士の妻京子が該当。道ならぬ懸想をしてそうな明智先生ですが清楚華憐で儚い「美女」とあっては無理もないところで演じた松原智恵子の美しさの説得力が凄いです。「美女」以外にも先の北園竜子は和服美女の稲垣美穂子、川手民子は若き日のかたせ梨乃という豪華さ（妹2名も美女）でした。

余談。
美女シリーズはテレビの再放送もよく行われておりますが初見は自分が学校から帰ってきてテレビをつけたらイキナリ例の死刑台の場面が始まったところでした。リビドーを刺激したという意味でも忘れられない作品。

名探偵設定守るために明智が海外に行かされている間に殺人が続く。こういう名探偵設定守ってるところは素晴らしい
このシリーズいくつかみたけどどれも短い時間でよくまとめてる印象
今回は荒井注も前面にでてきてコミックな要素も加わっておどろおどろしい感じがより強調もされていた