いの

メア・オブ・イーストタウン/ある殺人事件の真実のいののレビュー・感想・評価

4.7
赦しの物語だと思う。自分自身をゆるせなかった人間が、長い年月をかけ紆余曲折の末、他者に歩み寄り他者に心を開き他者をゆるし、そして自分自身をもゆるす物語。わたしは最後、ゆっくりじわじわと鳥肌がたち、それがいっこうにおさまらない。


なんといってもケイト・ウィンスレットだ。役者としての覚悟。部長刑事としての矜持(ずるさも狡猾さも頑なさも強靱な意思も何もかもを含めて)。圧巻としか言いようがない。彼女の弛んだ肢体に敬意を表したくなる。ケイト・ウィンスレットの全部で、ものすごいものをみせてもらったんだと思う。



 :::

・三代にわたる女たちの掛け合いが最高。近隣の女たちの繋がりも。理想という言葉を使うと少し違うような気もするけれども、結局のところ、目指すところの在り方を提示したのだと思う。


・同性愛者であることはまったく問題とならず、至極当たり前のこととして家族も受け入れていて、それがすごくいい。いよいよ時代も(ドラマも)ここまできたのかと、万感胸に迫るものがある。


・キャストの配置にも深慮を感じます。
いの

いの