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ウディ・アレン VS ミア・ファローのragaのレビュー・感想・評価

4.5
ウディ・アレンとミア・ファローの愛憎を物語る。アレンの養女ディランへの性的虐待疑惑、そして別の養女スン・イーとの愛人関係、後にミアとは決別してスン・イーと結婚する彼は製作した数々の作品の評価に守られて世間を困惑へと誘っていく。
作品と製作する側の人格について様々な意見がある。私自身それは分けるべきだと考えていた。やはり鑑賞する側の自由として作品の裏にある製作する側の思いや言動を見てしまう、察してしまう。冷静もしくは熱狂するのは製作する側が扇動することではない。ここまでであれば、作品と人格は別個に考えても差し支えない。しかしこの騒動の中でアレンが養女に対して仕向けた行動は如何なるものか、もしもこれが虚言だったとしても辻褄が合わない点が数多ある。それが強引な冤罪であったとしても、アレンの言動には被害者とされるディランへの思いやりよりも保身を優先するエゴが見え隠れする。そのあざとさが彼の作品に反映されていると邪推すると、彼の作品を観ることができなくなってしまう。
果たしてこのドキュメンタリーが真実なのか。アレンの性的虐待疑惑を否定するモーゼス(養子)の心境が語られないのが残念である。
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