眩しすぎる光の
下には必ず影、
闇が刺す…。
その闇に取り込まれるか
否かは、自らを持てるか
だが…。
若き相棒甲斐透の
ラストシーズン…。
「相棒 season13」
不吉な数字13。death13さながらに最悪の結末を叩きつけ、終結させた前代未聞のシーズンであり、この後の完全なる結末を見せてくれないならば相棒シリーズは終了してはならないとまで思う巨大な楔をファンにも打ち込んでしまったシーズンです。
あの結末がある故に、今迄の話は何だったのかと…(T_T)、あの時カイトくんはこう考えていたかも等再放送時に邪推をしてしまうようになって一途期楽しめませんでしたからね…。それも明らかに何らかの伏線が貼られていたら文句もないんですよ…。ないですから。伏線。無理やりそう見ようとすればあります。でもそれは正しい見方じゃないはずです。
あの結末を受け入れるのであれば、甲斐次長の言った台詞を受け入れなければならない。更に杉下右京と言う劇薬と甲斐峰秋と言う劇薬に挟まれた息子甲斐透は成長と共にジレンマを感じ…自らの正義の形成ができなかったと言う事でしょうねぇ…。愛されず育ったのではないかと言うトラウマ、眩しすぎる正義とそれを使える勇気と知恵を持つ父の如き上司、追いつけるはずもない圧倒的な存在である父。ゆく宛もない若きジレンマは…(T_T) 果たしてこんな軽い存在でしたかねぇ…カイトくんは(T_T) 甲斐透シリーズではずっと親子がテーマになっていた気がします。故に息子は父を超えねばと考えますからね…そう考えるしかないでしょうねぇ……。
まぁ受け入れて見続けているファンからすればカイトくんの再演がどうしても、望まれる訳です。どんな形でも構わないのでそうして欲しい。相棒ラストシーズン、または映画版で、ちょっとで良いんです。例えば…全相棒を出すためには公安、警察庁、警視庁を絡めながら、カイトくんを出さないといけない。カイトくんは腕っぷしが強く、甲斐峰秋の息子であるならば…民間SPが相応しい。出所後、白血病から治り出産できた悦子さんと息子の為、甲斐さんと和解。警備会社を斡旋され…。そして…杉下右京暗殺計画が起きる可能性が…。動けない甲斐さんは内々にカイトくんを送り込む…しかないかなぁと。公安から冠城が、警察庁から神戸が…亀山くんは人質になってそう(笑)。銃撃される右京さんを救うのはカイトくんで!勿論死なせては駄目ですが…。えぇ妄想です。妄想しなけりゃやってられない程衝撃のシーズンでしたから…(T_T)
人が死にまくる正しくアサシン回、社・ヤロポロク初登場の「ファントムアサシン」からスタート。このネタ後に引っ張り過ぎな気もしますが…(笑)杉下右京の過激な正義が違法捜査スレスレとなる「許されざる者」「第三の女」「最後の告白」。許されざる…はミステリーとして二転三転する辺りが、第三…は初の女性刑事が捜一へと言う面白さがあります。最後の…は杉下右京の正義が暴走する定番回…警察の不祥事に対する回でカイトくん…混乱したまま終わってます。何らかの答えを見いだせてない気がしました。ここが若さでしょうねぇ…。
親子の絆を描いた回が多いのがカイトくんシリーズであり、「14歳」「サイドストーリー」「鮎川教授最後の授業 前後編」辺りがそれにハマる。サイドストーリーのハード過ぎる介護問題…、鮎川…のミステリーサスペンスのレベルの高さと共に記憶に残る。ミステリー回であれば…「米沢守最後の挨拶」。これは米沢さん主役回の中でもかなり大ピンチで面白かったですね。
コメディ回としては円熟味あるゲスト二人の演技が素晴らしい下町回「幸福の行方」。ママ友たちの右往左往にひと味足され、ラストの捜一コンビが笑える「ママ友」、定番陣川回にかわいい妹が味をそえた「妹よ」、大物女優さんゲスト回の「人生最良の日」と並ぶ。若いキャラで中々馴染めないのか、どの話もカイトくん空気になるのが…やはり亀山薫とは違うのかなと…。
確かに右京さんをカイトくんは裏切ってましたが…右京さんが大好きで尊敬していたし、右京さんはこの息子の様な相棒を溺愛し、辛抱強く育て、信頼していました。それがわかる相棒のキャラ全てがカイトくんを助けようとする「死命」、そしてかつてないほど右京さんが危機に陥り、カイトくんが走るスペシャル「ストレイシープ」。この2話はカイトくんシリーズでも大好きな話でしたし、良くできたサスペンスでした。
異質な回は太田愛脚本回「アザミ」と片山雛子純情回(笑)「苦い水」、二つとも力作です。
最終話「ダークナイト」は…正直語り方としては下手でした。最初から見せなければ更なる衝撃の回でしょうねぇ…。故に上手いとは…。そんなトコロからアイデアが先に行ってしまった気はするんです。
ただ…この衝撃故にまだシリーズは続いているかもしれないし…、何があろうとカイトくんのシリーズも良かったし…どの相棒作品も愛してますとしか言えませんね。