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恋せぬふたりのjjjkのレビュー・感想・評価

恋せぬふたり(2022年製作のドラマ)
4.8
モヤモヤしたとき、人の言葉にいちいちつまづいたとき、定期的に摂取したい言葉がたくさんつまったドラマだった。

アロマンティック・アセクシュアルという恋愛指向・性的指向について、定義から考え方まで丁寧に描いていて、自分もこの指向について知らなかったしまったく当てはまる訳ではないのだけれど、すごく共感できるところもあり。ドラマ、映画、その他の恋愛にまつわるエンタメが決して嫌いなわけではないのだけれど、男女の行きつく先が全部カップルとして結ばれることという価値観には、ずっと違和感があった。

「男女の友情なんて絶対存在しない」という意見があるけれど、自分はあれが大嫌い。恋愛でもない、友情ともちょっと違うかもしれないけど、すごく大切で特別な関係という相手が、自分には異性にもいるから(相手はどう感じているか分からないけど)。ただ、人には理解してもらえないだろうと思っていたことが、作品の中で恋愛関係抜きの家族を目指す2人を描いてくれたことが、本当に嬉しかった。

岸井ゆきのと高橋一生、2人とも芸達者な役者だけど、小手先で演じてるんじゃなく、この役に真摯に向き合っている姿勢が感じられたことも、この作品の良さにかなり貢献してると思う。

手も繋がなければ、抱き合うこともない、「好き」という言葉を使わなくても、お互いのことを大切に思い合う関係性が、ドラマの中でみれるなんて思っていなかったから、良い意味ですごく違和感というか、不思議な感じがした。ただ、恋愛や結婚に関してメディアが作ってきて、人々に与えた影響ってすごく強いと思うから、新たな関係性をこうやって描いてくれたことは、本当に大きな出来事だと思う。

自分の幸せは、自分で決める。当たり前のことだけど、一辺倒ではない幸せのかたちを描いてくれたこの作品が、自分にとってもすごく大切な作品になりそう。
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