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ユーフォリア/EUPHORIA シーズン1のjjjkのレビュー・感想・評価

4.4
ドラマとしての完成度の高さがすごい。ただドミノ崩しのように登場人物たちが悲惨な方へ流れ込んでいく展開と救いのない結末は、正直メンタルに来る。

1話50分から1時間で、各話ごとに主人公ルーのナレーションで各キャラクターの生い立ち紹介が語られるんだけど、一気に引き込まれる。まず編集やカメラワークがキレッキレなので、とにかく観ていて気持ちいい、かっこいい、スタイリッシュ。音楽もドレイクが製作総指揮にいるからか、めちゃめちゃイケてるし。

アメリカのティーンエイジャーものの傑作は映画でも数あれど、ここまでセックス、ドラッグとの関わりをリアルに描いた作品はないのではないか。登場人物たちが若さゆえの危うさでどんどん間違った方向に行ってしまう展開はとにかく胸がヒリヒリする。

特に4話以降の登場人物たちの関係性が入り乱れていく展開は凄い。お祭りやハロウィンパーティー、プロムでのキャラクターの描き方は鳥肌たった。

ただ、基本的に登場人物たちが安易に救われたり、成長したり、はたまた自身の行動の報いを受けたりというドラマ的な結末は一切ないといっていいので、モヤモヤは残る。ただ、現実はあくまでこうだよね、という非常にクールな着地。なんか観終わった後までしんどい。

キャストたちは皆ドキュメンタリーかと思うほどのリアルさでキャラクターを体現してるけど、やっぱり主人公のゼンデイヤが凄まじい。ドラッグ中毒&双極性障害の内面を体現しきった表現力と、ルーの繊細な性格を絶妙なバランスで演じきっていて、エミー賞受賞も納得。

過激な描写もてんこ盛りなので、安易には人に勧められないが、ヌルい学園ドラマに飽きている人にはぜひお勧めしたい、今の時代の青春ものだと思った。
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