話題作はすぐさま見ていくスタイル。
時は1980年代、女子プロレス熱狂の時代。
反則上等、凶器上等。世間のヘイトを一身に背負いながら戦い続けた「極悪女王」ダンプ松本の誕生秘話と、その活躍が描かれる。
✏️仮面
ダンプ松本、ブル中野、ジャガー横田…
90年代前半生まれの自分は上に挙げた3名はどちらかというと「タレント」としての印象が強く、昔女子プロレスラーとしてかなり無茶をしていたことを何となく知っている程度。
しかし本作を見て、ダンプ松本の得意技・ラリアットを脳に直接食らったかのような衝撃を受けた。
女子プロレスにかつて、こんな熱狂と狂乱の時代があったんだと。
本作を完走した後、動画サイトで当時の実際の試合映像とかいろいろ探しに行っちゃったくらい。
何より演者さんたちの体づくり、役づくりが素晴らしい。
お笑い芸人が本業のゆりやんレトリィバァ。
人に優しく内向的な性格の「松本香」から、極悪女王・ダンプ松本として覚醒する瞬間は本当に興奮した。
ライオネス飛鳥役の剛力彩芽。
長い手足を活かしてリング上で舞う姿は本当の女子プロレスラーみたいだったなぁ、カッコよかった。
長与千種役の唐田えりか。数年前に某俳優との不倫騒動でなんやかんやあって大変だったろう彼女。
自分は本作で初めて彼女の演技を拝見したけど、身体を張った文字通りの「体当たり」なファイトスタイルと、朴訥とした田舎娘である長与千種の演技を見て認識が変わったというか、ちょっとファンになっちゃいましたね。
白熱のプロレスシーンはもちろん、カネと名声に目がくらんだ運営サイドと選手たちのドロドロしたやり取りや、恵まれない家庭環境に育った松本香が成り上がっていくまでの人間ドラマとしての見ごたえも十分。
これをたったの全5話にまとめるというテンポの良さも◎。
☑️まとめ
余談だが、本作は2000年代以降低迷の真っただ中にあった女子プロレスを復興させようと、ダンプ松本始めとする有志たちが立ち上がったことがきっかけだった。
その動きが放送作家である鈴木おさむやその関係者の耳に入り、メディア展開が決定したという。
(鈴木おさむ自身も大の女子プロレスファンだった)
自分のようなプロレスに全く興味のない人間にも、「ちょっと実際の試合映像見てみたいな」と興味を抱かせてくれた本作。
ダンプ松本や鈴木おさむから始まった女子プロレスの復興の波。
その手法として、老若男女様々な人の目に留まる「配信ドラマ」という形態を用いたのは大成功と言えるだろう。
<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★☆
🏃♂️テンポ:★★★★☆