まさかMCUドラマシリーズで1番好きになるとは思わなかった。
精神疾患を持つヒーローという非常にセンシティブなテーマ。
月の神に操られ正義の殺人を犯しながら罪悪感に塗れ苦しむ“マーク・スペクター”という1人の人間を、“スティーヴン・グラント”という彼の別人格が丁寧にケアして解していく、その過程が良かった。
1〜4話は、微ホラーながらもちょっとしたコメディやロマンス、アドベンチャー要素が楽しい。謎が謎を呼び、5話から6話にかけてはマークとスティーヴンの秘密が明かされていく。
月の神コンスは高慢でアバター使いの荒いとんでもない主人だが、デザインは最高に格好いい。
イーサンホーク演じるハロウもヤバさと魅力のバランスが絶妙なキャラクター。
そしてレイラがとってもチャーミング。彼女のようになりたいと、私の中の少女が暴れる。彼女はそれこそマークスペクターの運命に振り回される人物なのだが、それでもマークを気にかけてスティーヴンに誠実さを見出してくれる。最終話の彼女の活躍には何度もガッツポーズ。
ただ、5話は本当に辛かった。マークにとってはもちろん、スティーヴンにとっても辛い現実を直視しなければならない状況に迫られた2人の絆が切ない。
最終話では、アメミットとハロウとの決着がつく。
え?となる展開が連続し(全話そうだが)、最後まで見事に翻弄されてしまった。
マークとスティーヴンの今後の生き方か定まり、お互いがお互いを支え合う道を見つけたことは非常に嬉しい。
レイラがめちゃくちゃ格好良かった。
しかし、2人も知らない空白期間を知る人格がまだいた……という、シーズン2が期待できる展開での幕閉め。上手いなあ。
今のところ本作は他のMCU作品とのつながりが非常に薄い。ムーンナイト(たち)が今後アベンジャーズに合流するとしたらどうなるんだろうと、ワクワクが止まらない。