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エコーのhiのレビュー・感想・評価

エコー(2024年製作のドラマ)
4.2
1話冒頭からぐいぐい引き込まれ、あっという間に全話見てしまった。
ドラマ「ホークアイ」の復習をしておらずやや不安だったが、ほとんど問題なく楽しむことができた。
すごく面白かった。

さまざまな時代のチョクトー族の女性たちが覚醒する瞬間と、マヤが力を爆発させる瞬間が重なるときのカタルシスよ。
とても心動かされるシーンだらけだった。

聾者であるマヤとその周りのコミュニケーション方法について、実際のところどう評価すべきなのか、残念ながら私には判断がつかない。
しかしとても誠実で、あるときは残酷に描写がされていたように思う。
同時に音の演出も見事であり、マヤ視点の“無音”描写が秀逸であった。彼女には聞こえなくても、彼女にしか感じられないものがある。
マヤを演じたアラクア・コックスの怒りを秘めた凛とした立ち居振る舞いに何度も魅せられた。

悍ましいキングピンは、本作でも異彩を放つ。
マヤにとっての“毒親”である彼との奇妙な絆は、孤独な少女にとっては必要不可欠であったことが語られる。それが例え有害であったとしても、小さな彼女を救えたのはキングピンだけだったという事実が切ない……
「レンズを作ったのも、手話を習いたくなかっただけでしょ」
触れたら砕け散りそうな繊細で危険な人間を演じるヴィンセント・ドノフリオ、とても良い俳優だ。

本作は「シークレットインベージョン」よりも暗くなく、「ホークアイ」ほどエンタメに振ってはいない。この絶妙な匙加減が、私のお気に入りの「ムーンナイト」にやや近い印象を受けた。
ぜひまたマヤの活躍を見たい。
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