Benito

17才の帝国のBenitoのレビュー・感想・評価

17才の帝国(2022年製作のドラマ)
4.7
【 君のために世界を変えると誓った17才】

SF、青春、政治がテーマのドラマ。それらが本当によく噛み合っている良作。

17才の総理・真木亜蘭(演.神尾楓珠_ふうじゅ)がなぜ政治を志したのか、その真実が明らかになっていく切なさもあるストーリー。

<音楽>
この作品の最大の魅力は劇伴(音楽)。
オープニングでキャストより先に劇伴担当の4人のクレジットが入る異例の展開。
その4人は坂東祐大・Tomggg・前久保諒・網守将平。特に坂東祐大は米津玄師の多くの曲のアレンジャーをやっていてセンスに溢れてたけど、このドラマの劇伴はシンセサウンドが壮大でとにかくカッコいい。他の3人のメンバーもビートメイク、アコースティック、インダストリアルサウンドとそれぞれの持ち味を出して厚みが半端なく出ていたし、攻めている。映像の編集を終えた後に、音楽を制作するフィルムスコアリングという手法を取り入れているようだから、ドラマへの没入感はこの劇伴が貢献してるんだと思う。
あと、塩塚モエカがボーカル、坂東祐大が作曲の主題歌 " 声よ " は耳から離れないし、心に沁みる名曲。そして毎回異なっている主題歌の流れるエンディング映像がまた美しい。ドラマは音響整えるか、ベッドホンなどでしっかり音も楽しみたい作品。


<映像とロケ>
壮大な世界観を表現したドラマには、独特な質感を出した映像もこれまたセンスがいい。カメラワーク、色彩、照明、フォーカシング、文句のつけようがないと思う。そして役者の選択、ロケ地も結構影響してるに違いない。主役の真木を演じる神尾の佇まいは風格があるし、AIソロンの塔が何と実在する長崎県佐世保の針尾無線塔(現役)を使っていて効果抜群。無線塔の頂上に立つ真木のオープニングとテーマ曲"Teen Regime" が流れるのはテンションあがる圧巻な場面。


< 公式サイトから… >
・オープニングテーマ曲
"Teen Regime" by 坂東祐大
https://youtu.be/1X_s4olRics

・主題歌
" 声よ" by 坂東祐大/ 塩塚モエカ
https://youtu.be/kabCBUpyFHs
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