主人公の存在が薄い…。実際のところ、大学講師がやくざと警察に張り合えるわけもないから、やくざにあーせい、こーせいと言われておろおろするだけなのは、仕方ないのかな。主人公はとことんどつぼにハマってしまっているので、火事場の馬鹿力を発揮してサバイブする姿を見たかった。
でも、見どころもたくさんあった。
パク・ヒスンは能動的な登場人物として存在感があったし、お気に入りのキム・シンロクがいかにも酷薄でよかった。
やくざ側と警察側が、相互に関係しながらどちらも腐敗した組織として描かれていたのが容赦なくていい。
韓国映画お得意のノワールものをチープにせずにドラマに取り込んだのは見事だと思う。
最も素晴らしいと思ったのが画面の美しさ。暗い場面はもちろん、昼間の場面でも陰影があり、ムードがある。構図もいい。
日本のドラマと比べると雲泥の差だと思う(今の大河ドラマはなかなかいいが)。