眼鏡の錬金術師

らんまんの眼鏡の錬金術師のネタバレレビュー・内容・結末

らんまん(2023年製作のドラマ)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

幕末から明治にかけて生き、のちに植物学者となる万太郎が主人公。

お母さん切ねー。3回も流産して万太郎産んだっていう設定だけで泣ける。どれほどの絶望か。

万太郎苦しいなぁ。自分のやりたいこととやるべきことの不一致。言わばアイデンティティの不一致。竹雄の思いもすげー切ない。綾様もおばあちゃんもみんな切ない。

東京編で寿恵子と再会。結婚の流れ。13週の盛り上がりすごかったー。こんな豪華な演出って朝ドラであんまりないよなー。タイトル回収しての最終回のようだった。

結婚後の田辺教授や大学とのやり取りもハラハラしておもしろかったね。田辺教授の最後が切なかった。竹雄と綾も、恋の成就は熱かったけど、腐造出して峰屋終了の流れは辛かった。

しかし、万太郎の晩年は結構失速した感がある。ずっとくすぶっていて、どちらかというと寿恵子にスポットが当てられていた。寿恵子が商売で大成し、その財産で万太郎が植物研究できる環境を整えた。
最終週まで万太郎自体はあまり活躍せず、ホントに最後に教授に取り立てられ、ハッピーエンド。

実際こういう研究者タイプの人間は稼ぐ能力はないので、妻がめっちゃ頑張らなければならない。万太郎が最終的に認められるまでに至ったのは寿恵子の支えがあったからであろう。よき伴侶に巡りあったなと。

現代では学校も仕事も行かずに研究しているような男はたぶんイカれた奴とかヒモとか呼ばれて非難の的となってしまう。そもそも結婚できんだろう。
こういう人間が家族や社会からも認められる時代というのも良き時代だったのかなと思った。

決してお金にはならないけど、自分の魂が真にやりたいと思うことに時間を使えたらどれだけ良いだろうって常々思うけど、資本主義が歪に進みすぎた現代においてそれは夢のまた夢であろう。

自分の感情曲線としては前半が最高で、後半も一定程度良さを維持はしてたが、終盤シュンと盛り下がったという感じかな。でも総合すればかなり良い方の朝ドラだったと思います。

OPのあいみょんもすごい良かった。