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松本清張 眼の壁のkojikojiのレビュー・感想・評価

松本清張 眼の壁(2022年製作のドラマ)
3.3
No.31
佐田啓二版が評価3.5なので、この作品の評価は3.3になります。間違いなく劣っていますから。
清張の良さはサスペンスのストーリー性、人間ドラマを感じさせる点に加えて、彼独特の味わいがあるところだと思うんです。少なくとも私にとっては。例えば、旅の抒情みたいなところなんかもあります。
あの名作「砂の器」がいいのは、丹波哲郎、森田健作のコンビの列車の旅のシーンが何気なく描かれながら、丹波哲郎の先輩刑事が一句俳句を読んだりするところです。二人の関係性がそれとなく描かれて、これがなんともいいと思うんです。
佐田啓二版には、少なくともその趣きがありますが、このドラマは5時間の大作なのに、全くそれを感じるシーンがありませんでした。ギスギスしていて、しかもストーリー展開はモタモタしている。そんな感じです。5時間は逆に無理があったのかもしれません。
清張の臭いが全くしないドラマになっているのです。

佐田啓二と小泉孝太郎を比較するのも申し訳ない気もするのですが、相撲だったら、横綱と序二段の相撲を見てるような感じです。あまりの魅力の差にこんななのかと驚いてしまいました。
ただ、上崎絵津子役の泉理香さんは、結構良かった気がします。鳳八千代さんより、私は彼女をかいます。
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