トケグチアワユキ

ユニコーンに乗ってのトケグチアワユキのレビュー・感想・評価

ユニコーンに乗って(2022年製作のドラマ)
3.9
ゴールデンプライム帯のドラマに足りないところも、かといってあり余るほどの(キュン死にするような)エモさもない、実に適切なドラマだった。
なんとなぁく毎週観て、たぶんすぐに忘れちゃうとは思うけど、だからといって失望するほど感情を動かされることもない。
ゴールデンプライム帯のドラマにはこれがすごく重要。

もちろん、中には冒険と問題意識でできた意欲作もあるけど、それだって相当なエンターテインメントを兼ね備えているはず。
そういう作品は大好物だけど、そればっかりという訳にはいかない。
なぜなら、放送って映画じゃないから。
営利企業のお仕事だから。
その中でいかにガッカリを減らすかみたいなところあると思うんだよね。
そう考えると、このドラマは的確に目的を遂行したと思うんだ。

ちょっとだけ内容の話をすると、永野芽郁にベンチャー企業のCEO役とかムリなんじゃない?とか思うんだけど、途中からそれなりに見えてくる。
これだけで、いかにこのドラマがちゃんとしてるかわかる。
ちゃんと顔つきを計算してると思う。
いつになくしかめっつらが多くて。
にこにこクイーンの永野芽郁が、だよ。

この作品に限らずだけど、ストーリーにご都合主義とかいう人も多いけど、ドラマって、いや小説なんかも含めて、フィクションってそういうところありきだから。
突然、事故や病気になるし、助けの手が伸びてくるし、もっと言うと設定で不治の病だったり、大金持ちの超能力者だったり、なわけじゃん?
必然だけでフィクションを組み立てられるならそれも観てみたいけど、たぶん無理でしょう?
ゴールデンプライム帯のドラマにすごく大きな期待をされてる方々もいて、やれ安易だの暗いだの、視聴率がどうの、果ては打ち切りだのテコ入れだの、最近は外野がうるさいけど、今どきそんな短絡的な責任論で仕事してる会社はないでしょう。
あなたの働いている会社、どうですか?
何十年も前の大失敗を今また繰り返してたりしてないでしょう?
今の放送局に打ち切りなんてコンプラ違反絡みでしかありえないと思う。

私はつまらないドラマならはっきりつまらないと言いたいと思ってる。
でも、楽しみたいから観てるのであって、揚げ足を取るために観てる訳じゃない。
楽しかったら楽しかったと言いたい。

このドラマは観てて楽しかった。