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ウ・ヨンウ弁護士は天才肌のmendeのレビュー・感想・評価

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(2022年製作のドラマ)
3.5
滑り出しは本当に面白かった。
それぞれの事件にリアリティがあり(実際の裁判を参考にしたとか)、
法廷ものとして見ごたえがあった。親友の父の三兄弟のエピソードなど、とてもよかった。
さらに、そこで活躍する主人公ウ・ヨンウが一生懸命で、でも空気は読めなくて、かわいかった。
何を考えているかよくわからないところのあるウ・ヨンウだけど、同僚の女性弁護士に「あなたは春の日差しだ」という場面は胸をうった。
彼女は見るべきところはちゃんと見ていたのだ。当の本人が意識していないくらいの美点さえも。
かえって障害者のためのボランティアをやっていた人たちが差別的だったりする描写も皮肉だし、悲しい。よく練られている脚本だと思う。

ただ。ウ・ヨンウ本人まわりの描写には不満が残る。
以下ネタバレ。




母親であるテ・スミについての描写は浅い。テ・スミが政界進出という夢を諦めなければならないほどの罪があるだろうか。
この人がウ・ヨンウに対して親としての義務をはたしていないのは、父親のせいでもあるのに一方的に断罪されている。父親の罪は問われていないのはおかしくないか。
彼女が学生時代に産みなくなかった、母親になりたくなかったのはよくわかる。あのとき母親になっていたら彼女のキャリアは始まりさえしなかった可能性が高い。
それなのに出産を強要する恋人(ウ・ヨンウの父)のなんと傲慢なことか。人の妊娠出産を甘くみてないか? 
結局、出産したことがテ・スミの足を引っ張ることになるのを考えると、どんよりする。
テ・スミが政界進出をあきらめて、息子に対して「いい母親になる」という宣言は重い。

そもそもテ・スミの実家が娘の出産を許すのが不自然極まりない。
父親になったにも関わらず、ソウル大法学部生だったにも関わらず、キンパ屋になっているのもこれまた不自然。弁護士にならないのが、テ・スミに会わないためというのも意味不明だ。
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