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エルピス—希望、あるいは災い—のmakoのレビュー・感想・評価

5.0
今期(昨年10月期)ドラマ1番!
今までにない、新鮮なドラマだと思った。

NHKで放送された、「正義の行方 飯塚事件 30年後の迷宮」を観ていたら本作を思い出した。
物的証拠と目撃情報のみ。
久間三千年さんは一貫して否認しているのに、次から次へ物的証拠がでてくる。
刑事(元捜査班長など)、西日本新聞の元記者2人、弁護士(弁護団団長など)、妻らの話が紹介されていた。
刑事と妻の話が食い違う。
刑事は久間が犯人としかみていない。
記者は、一審、二審で疑問というか腑に落ちない感じがあったと。
でも自分たちがリードして報道したから死刑判決が出て安堵したという。
久間三千年さんは最高裁で死刑判決後、2年後に死刑執行。
あまりに早い執行に私もだけど、記者も驚いたと。
弁護士は知らせを聞いて崩れ落ちたと話されていた。
その一年後、足利事件で無期懲役の判決を受けていた菅谷さんは釈放された。菅谷さんは「急に犯人にされた」と。

飯塚事件ではDNA鑑定で久間さんと犯人の型が一致していたが、死刑執行後、DNA鑑定のフィルムに細工した箇所を再審請求した際に弁護士が見つけた。

長くなったけど、本作はいくつかの事件を基に作られていてとてもリアリティがあった。

ここから少しネタバレが含まれます⚠️


浅川恵那(長澤まさみ)、飲み込みたくないものを飲み込んできたから、食事が喉を通らないとか、1話から引き込まれた。
岸本拓朗(眞栄田郷敦)、最初はただのぽわっとしたぼんぼんだったのが、チェリー(三浦透子)さんから依頼された事件について、浅川と真相を探っていくうちに成長していった。
斎藤正一(鈴木亮平)、ずるい人だ。
いろいろ書きたいけど思うように書けない😅 必要悪なんて都合がいい言葉だ。結局、他人より自分優先の考え方だと思う。
村井(岡部たかし)、当初チャラくてクセ者だなと思ってみてたけど、腹の中では静かに闘志を燃やしてる人だった。
ニュース8のセットを壊すシーン、胸にくるものがありました。

ラストもこれでよかったと思う。
松本さんが釈放されたのは何より。助かってよかったと思った。
本作は真犯人を探すというか捕まえるドラマではないと思う。

浅川、拓朗、村井の再生、成長、執念などを描いたドラマではないかな。

現実では久間三千年さんは死刑執行された。
DNA鑑定の工作(捏造)、血液型鑑定の恣意的な判決手法の誤り、取り調べ捜査官の誘導による目撃情報の作成があったのにも関わらず死刑執行後に行った再審請求は棄却。


脚本家の渡辺あやさんは、NHKドラマ「今そこにある危機とぼくの好感度について」も、とてもよかった。どちらも社会派で私好みでした。今後注目の脚本家です。

上に挙げた4人の俳優さんの魅力がたくさん詰まったドラマでした。
あと、笹岡役の池津祥子さんもよかったな♪ 上手い👏
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