染谷将太×松田龍平×宮藤官九郎脚本
NHKとんでもないこと作品作ってんなと、発表当時から大盛り上がりだった正月時代劇！
時代劇といえば、良く知られた侍が偉業を成し遂げるまでの話だったり、良く知られた大泥棒がかっこよく悪代官を懲らしめる話だったり、お馴染みのストーリーがある印象だったけど、
今作は名の知れない農民たちが泥臭く立ちあがる、ある種アウトローの話なので、全然違う角度から幕末を描いていて面白かった。
農民たちが侍を斬る=人を殺すことに対する葛藤など、ダークな部分も通るんだけど、
それを暗くしすぎず、小ネタも挟みつつ、神田伯山のナレーションによってテンポ良く描いたところが宮藤官九郎らしくて好みだった。
リアルに死もあるし、血は出るし、殺人は犯すけど、それを無とも酷にも描かない感じ。
染谷将太である必要あるか？と思ったりもしたけど、後半特に千代ちゃんとの場面の心の揺さぶられ方は流石の演技力を感じた。こういうところで演技力の差が作品としての評価の差に繋がるんだろうな。
松田龍平の怖さと軽さが共存しているところも可笑しかったし、その横に正統派サムライ工藤阿須加がいたり、ちょこちょこ楽駆、奥野瑛太、とかも出ているしで、キャストもすごい。敵の親分がシソンヌじろうさんだったり、塚地さんに、ティモンティ高岸にお笑い芸人の方々使い方も良かったね。
伊藤沙莉のキャラクターも最高。
でもなんだかんだ、頭に残るのは、力石を持ち上げる場面なのでした。
