ことりちゃん

THE DAYSのことりちゃんのレビュー・感想・評価

THE DAYS(2023年製作のドラマ)
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※ネタバレあり※

これを見てなお原発に賛成できる人は存在するだろうか?

コンプライアンス、多様性、権力者への忖度のみになってしまった昨今のテレビに出来ない内容は、今後こういった配信オリジナルに流れていくのだろうと感じた作品。

同時に実力のある俳優陣もどんどんこういう骨太な作品に出演するのは必然なんだと思う。

事実に基づくとはいえ脚色はされてるだろうけど(細かい会話の内容や人間関係が分かるわけないしね)、天下りで配置された無能官僚たち、それを自分達で配置したくせに有事になると途端に責任を押し付け始めるトップたち、結局現場で動く人間が1番命を賭して苦労する。

安全圏から火事場の様子を見て騒ぎ立てて責任追及ばかりしているマスコミたち。
でも、私たちは当時、彼らと違ったと言えるだろうか?
あの当時誰もが安全圏から少しの好奇心を持って見守っていたんじゃないだろうか。

何となく日本ではタブー視されている3.11関係の題材だけど、勿論心に不安にある方への事前の配慮は大前提としても、むしろ私はオブラートに包まず描くべきだと思ってる。

賛否両論あるだろうけど津波や地震の被害、原発が暴走する事への恐ろしさが生々しく描かれていて私は良かったと思う。
ドラマであり脚色のある半フィクションなのにも関わらず、その辺のホラーなんかよりずっと恐ろしかった。
3.11リアルタイムのあの日より、ずっと現実の事のように感じられるそんな演出だった。

私たちが日頃享受している恩恵はこの恐ろしい物質から作り出されていることを再認識出来た。

ではそれに代わる発電があるのかと言われたら難しい問題だけど、原子力は人の手に余る発明なんだろう。

名前こそ伏せてあるけどJCOの臨界事故についても出てくる。これだって、知ってる人は少ないんじゃないかな。でも忘れてはいけない事故。原子力を扱う国が、原子力の怖さについてまともな情報の開示をしていないのは恐ろしいこと。

最前線から退避してくれと願った若い人らを否定する資格のある人間は居ない。最前線で戦った人以外。

脚本は問題と事実を視聴者に投げかけるものであり、受け取り手の価値観や政治観によって意見が分かれると思うしそういう作品だと思うので善し悪しは付けません。
ただ、余計な感動表現をせず淡々と進む演出、
俳優陣のお芝居は実力者ばかりを揃えているので没入感の邪魔をせず見応えがあった。

脱線するけど個人的に某ショタコンロリコン事務所の役者が出てるとどうしても演技のレベルが気になってしまうので、それを使っていないのにも好感が持てた。
というか民放ドラマや映画館上映の映画だとよほど地方のドラマでもない限りあの人らが出てない作品を探す方が難しいので、つまりそこにも忖度があるって事だよね。そりゃどんどんネット配信に良作が流れるよなー。

善し悪しを評価する作品では無いと判断したので点数は付けません。
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脚本⋯-
演出⋯-
キャスティング・演技⋯-
音楽・美術・衣装⋯-
ハマり度⋯-