ことりちゃん

最悪の悪のことりちゃんのレビュー・感想・評価

最悪の悪(2023年製作のドラマ)
4.5
※ネタバレあり※

試写会見に行ったぐらい楽しみにしてた作品。
試写会は本人登壇のおまけぐらいのつもりだったのに、面白すぎて2話で終わってエーーー続きーーーってなった。
ウィハジュン様マジでこういう役ハマり過ぎだって。何考えてるか分からない流し目が最高。

珍しく日本人役を日本人が演じてる場所が一瞬あって大変聞き取りやすかった😂でもだからこそ韓国人が演じる日本人が丸分かりでちょっと集中削がれたな。

90年代でマフィア物という事もあってまるでVシネのような雰囲気。
最初っから血と暴力と犯罪に塗れてて目を覆いたくなる場所もある。
けどとにかく主演2人の顔が良くスタイリッシュなので全然男臭い感じがなくて見れちゃう。
ジュンモと妻、ギチョルの微妙な関係がはちゃめちゃに良い。
ギチョルがどこまで分かっててジュンモにウィジョンの話をしてんのか全然分からなくてハラハラした。

嘘に嘘を重ねて潜入してるせいで、ジュンモが義母の葬式に出られず入口で三礼したシーンは切ない。

4話と5話の最後が同じ銃声シチュエーションなのはエモい。
とにかく毎話BGMの入り方と終わり方がかっこよ過ぎてシティーハンターかよって感じだった(分かる人には分かる)

ジュンモの味方じゃない方の警察のおっさんヤバ過ぎてどっちが悪か分かんなくなる😂
韓国ドラマの警察の腐り描写は容赦なくておもろい。

徐々にギチョルの過去が明らかになっていく中で、彼が恵まれない過酷な環境から人に見下される事への拒否感を原動力に動いてるって分かる。

二重帳簿の件はギチョルが隠してるとばかり思ってたので、まさかチェ常務がガチで横領してるとは…
こじつけで勘のいい幹部を遠ざける筈が、うまいことギチョルの救世主になってく脚本が本当に上手い。
そんでチ・チャンウクの演技が上手いのでどこまで本心で演技なのか本当に分かんなくなる。
警察の中でははぐれ者のジュンモが本当に1ミリもギチョルに感情移入しない??

てかウィハジュンのキスシーンよ!!!
あんまりにも守ってるもんだからてっきりNGなのかと思ってたらまさかのここでくるのか🥲
めっちゃ色気あって美しかったけど、あんな美しいキスシーンできんなら今更また2番手役のここでやらんでも…という気持ちにはなった。

1話冒頭のシーンの回収が素晴らしい。
9話まで見たからこそ、潜入捜査当時は中身まではぐれ者になれず人を殺める事に抵抗のあったジュンモが躊躇なく人殺しをするシーンなんだと分かる。
ここからのジュンモはマジで容赦がなくて、もう警察どころか普通の人間には戻れないんだろうな。
でも結局それもそもそもは、ウィジョンへの劣等感から始まった(そうじゃなければ危険な潜入捜査なんて受けなかっただろうから)と思うと切ないやるせない。

どんどん人の道を外れて、しまいにはギチョルにまで制される変化を演じるチ・チャンウクssiの演技には脱帽です。

あの腐れ外道警察官ははよ消えてくれと思ってたのでヘリョンちゃん殺してくれてスカッとした。執事めっちゃ渋カッコよくて好きだったから、お別れのシーンは切なかった…。

結局ギチョルが孤独でしかないというのが哀しい。絶望して、ジュンモとウィジョンのもとに訪れるシーンは本当に悲しかった。
そしてジュンモとウィジョンも、私の解釈では
元には戻らないのだろうと思った。

誰も幸せにならない。

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脚本⋯0.8
演出⋯1
キャスティング・演技⋯1
音楽・美術・衣装⋯0.9
ハマり度⋯0.8