kazマックスグローバーレッド

FARGO/ファーゴ シーズン5のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

FARGO/ファーゴ シーズン5(2023年製作のドラマ)
3.8
PTAの集会が白熱して親御さん達が乱闘騒ぎ。トラブルを避けたい平凡な主婦ドロシー・ライオンは目立たぬようその場から避難しようとするが自己防衛のはずみでうっかり警察官にスタンガンを向けて逮捕される。釈放後、家に帰ると覆面男二人組に誘拐されるのでした。さぁ楽しいファーゴ世界の始まりです。

誘拐されたドロシーは途中で逃げ出しコンビニに身を隠す。脚を負傷した警官に適切な処置を施し、ペンライトや氷など身近な物を利用して誘拐犯二人組を撃退。このドロシー・ライオン、ただの平凡な主婦ではなさそうだ、これは第一話から惹き込まれてあっという間に全話完走。

ドラマ版『ファーゴ』も今回でシリーズ5作目。「雪国で犯罪計画が狂い、大金と殺人と変な人たちが絡み合う」というコンセプトは同じなのにマンネリ化する事なく毎回新たなアプローチで魅せてくれる。ドラマ版ではSeason2からオカルト要素も加わり、Season5ではそのオカルト要素が更に磨きをかけて帰ってきた。映画版で大男ピーター・ストーメアが斤振りかざしていきなり襲ってきたシーンもオマージュしてたね。

Season1 ビリー・ボブ・ソーントン&マーティン・フリーマン、Season2 キルスティン・ダンスト&ジェシー・プレモンス夫妻、Season3 ユアン・マクレガー&メアリー・エリザベス・ウィンステッド夫妻、Season4 クリス・ロック&ベン・ウィショーとドラマ版『ファーゴ』は毎Seasonごとのキャストが魅力的で、Season5ではジェニファー・ジェイソン・リーが嫌味な金持ちオバサンを演じて『ヘイトフル・エイト』とはまた一味違ったイヤな役を貫禄たっぷりで魅せてくれます。


トランプ支持の田舎の保守派が幅を利かせてアメリカが分断する出来事がちょっと前に現実世界で起こったけど、Season5はそんな典型的な保守派の父親ジョン・ハムに逆らえずいつも彼の腰巾着で威張り散らしてる息子が出てきてその息子役が『ストレンジャー・シングス』のスティーブなんです。初期の『ストシン』を思わせるようなイヤな奴を演じていい味出してたわ。


ドラマの中盤で主人公のドロシーが人形を使って出来事を表現する描写があって、このところそんな描写を『ジェン・ブイ』と『ボーはおそれてる』で立て続けに見ている。最近は実写の中でパペット使うのがトレンドなのかな。