原作映画も次のシーズンも関係なく1シーズンで完結。深淵かつ理解不能な会話をする獣のような男マルヴォが殺し屋として街を荒らし、レスターをはじめとする人々を狂わせ本性を浮き彫りにしていく。ノアホーリーの脚本は知性と驚きに満ちている。欲望や業や弱さを大胆に描くが、間抜けなキャラや悪党もチャーミングでどんどん好きになり、目が離せなくなる。
1話傑作。エミー賞も納得の空気と展開。頼りなく妻や弟に軽んじられる保険屋を演じるマーティン・フリーマンが最高。ヘラヘラしているが怒りを溜め込み爆発寸前。がたがた鳴る洗濯機はCUREのよう。ちょっとした表情と自己中心的という程度から少しはみ出した噛み合わない会話が不気味な男マルヴォ。俺なら殺すと告げた時の何とも言えない顔。モーテルで何故?魚はクモは?と聞く異常者感。サクッと殺す。まさかの凶行、マルヴォをハメようとする意外性。署長訪問、バレ「やっちゃった」顔。突如現れ消える。杜撰だがシンプルな隠蔽。ペンキ缶で事件が伝わる切なさ。
「それもアリだな。借りた車だと言う。もしくはあんたが車に戻り去る。避けるべき道もある。地図にはここに怪物がいるとは書いてない。でも存在する」「子供は何歳?俺は窓を閉めて走り去る。あんたは帰る。そして娘の顔を見るたび思う。自分が生きてるのは、あの夜にあの道に行かなかったおかげなのだと。闇ではなく、光に向かって歩いたからだと」
ep2 「もし、みんなが間違っていて、あなたが正しかったら?」捜査する男たち。手話の間。郵便受け取りとは思えぬ緊迫感。なぜ?俺がそっちに行こうか?異常とはトースターに足が入ってることだ。疑うモリーとそわそわレスター。男たちはヘスの仲間に雇われているのか。人違いなのに殴り、氷に穴をあけ……
ep3 You made a choice. And this is the consequence. Me, I'm the consequence. オフィスの撮り方天才。リミナルスペース的不安。迫る厄災。堂々としすぎていて怖い。裸の男特定、子供に手を出した?ドラッグだ。まさか。ギャンブルよ。マルヴォは「もっと狭い部屋は」と妙なことを言ったかと思えばバランスボールを抱いて落ち着けと優しさも。脅迫を引き継ぐ→混乱してきた→俺はしてない。ガスが車を突き止めモリーに接触。ヘス婦人は保険金気がかり。バカ兄弟ボーガン尻。異様に余裕たっぷりに麻薬を仕込み犬を殺すマルヴォ。レスターに迫る二人、モリー怪しむ。
ep4 スタヴロスの過去。カバンの大金。豚の血、犬殺し。マルヴォを見つけ逮捕するグレムリー。牧師のふりゾッとする演技。ナンバーズに拉致されるレスター。湖吊るされそうになるも警官殴る機転。コオロギは神罰。バーで荒れて俺らも逮捕!レスターがより袋のネズミになって笑える。
ep5 謎の理屈で買わされる散弾銃。手の怪我ってそれだったのか!浮かれるトレーナーをスムーズに閉じ込めるマル。悪化する傷、朦朧ほぼ自白。署長の死の真相、赤ちゃん。
ep6 弟チャズに詰られる。クリーチさんと入れ替わり脱走。自宅とチャズの家へ。それは!クズや!!マルヴォ恐ろしや、トレーナーは銃撃犯に仕立て上げられ、銃ごと固定されたまま無残に殺される。ワイヤー罠トリガー。銃の衝撃で雪が跳ねるボンネット。殺し屋たちの急襲、戦争のような銃撃。マルヴォ上手でナンバーズを手にかける。駆けつけるグレムリーとモリー。連携がうまく行かず吹雪の中……
スタヴロスの妙案は埋め戻し神に返すことだった。しかし魚が降って息子たちは事故に。レスターは病院に帰り、微笑む!今回唯一計画通りにいった人物。
ep7 息子が学校で銃を落とし、チャズのピンチ。違法所持とレスターの罠。インドで船が沈もうがアフリカで虐殺だろうが知ったこっちゃないという正直すぎる署長。死体だらけの状況でレスターの「自白」は効く。弟を庇ってたのかと感動。弟を尻目に帰るレスター、タイトルバック。モリーへ謝罪。回想でマルヴォを見つけ声をかけたが、それで気付いたレンチとコンタクト、撃ったすきにマルヴォに逃げられる。上手い。
不動産に現れるマルヴォ。机に載せた足越しのショット凄み。理不尽な二択で脅す。モリーが接触するが有力な話はしないレンチ。マフィアのアジトに乗り込むマルヴォ。偶然とはいえFBIの車の前でごつい銃を取り出すのヤバい。ビル外観+音で見せるカチコミ。ガラス破ってようやくFBIが気付く。レスターの夫人への「喜ばせてくれ」ヘスの写真、最悪セックス。
ep8 模様替えレスター。洗濯機にワクワク。アレはリコール対象だったのか。殺人より浮気に怒っているチャズの奥さん。FBIの2人は見事に資料室へと左遷。レンチとマルヴォの邂逅。モリーの快気祝い、小銃ケーキってどんなセンス。モリーとガス、娘と祭りに行く約束。シームレスに1年後。郵便配達、お腹に子供。anniversaryってなに?あー、出会ったきっかけの、死んだ上司の……
最優秀セールスマン賞!隣には「妻の」リンダ。下心ありつつバーへ行くとそこには???
ep9 ジョークを言い、パーティーを開き婚約者とじゃれ合い、口調もくだけている歯科医。マイク?保護されてる友人の弟ってもしやターゲット。突撃するレスター。Is this what you want? えっそこまで。6ヶ月もかけたんだぞ。 仕事にワクワクのFBI2人。「配達人と付き合ってたが別れたあと気まずく引っ越した」義父小話。こじつけで逃亡計画のレスター。モリータイミング良すぎて不穏。何も起こらないで。聴取するが上手くごまかす。何故か嘘ついてくれるリンダ。元レスター宅を訪れ会社の場所を知るが、去り際にここ事故物件で足音と呻き声が聞こえるらしいと不必要に脅すマルヴォらしさ。モリー父のダイナー!レスターの居場所を聞き出そうとするが、怪しまれてる?入れ違い。会社にパスポートを取りに行くが電気がついている。リンダに自分のダウンを渡しフードを被るように。うわ!最低だな。いや〜〜
ep10
ルーのダイナーで、リンダと自分の2人分の注文をし、その後こっそり席を立ち警察に事件の通報をするレスター。「2人目の奥さんが…」The other one now?マルヴォと警察勢、お互いを把握。モリーによる幹線道路配備、父の警備、ガスの発見!ビル・オズワルト署長 I never wanted to be the type to think big thoughts about the nature of things. 捜査官の名前を聞き出し成りすましてFBIに連絡し、救援要請の中止を求めるマルヴォ。スパイかよ。試乗車は強奪チャンス。販売店のオーナーはおとりで、FBI2人をやっちゃう。マルヴォとレスターの対決は罠で中断。隠れ家で足を手当てするが……
Gus Grimly: I figured it out.
Lorne Malvo: [without looking] Good for you.
Gus Grimly: Your riddle - shades of green. I figured it out.
[Malvo looks up, finally recognizing Gus; the two men stare each other down]
Lorne Malvo: And?
[Gus shoots Malvo]
息を吞む怖さ。あっけなさ。始まりの「依頼」テープ。止められても逃げ続け落ちる。根性と自ら追い込む愚かさと。