タキ

ブラッシュアップライフのタキのネタバレレビュー・内容・結末

ブラッシュアップライフ(2023年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

第1話のダラダラと続く女同士の会話、少々退屈ながらあとで怒涛の伏線回収になってずっとニヤニヤできるという仕掛け。麻美は徳を積んで人間に生まれ変わることを目指しているのだが、毎回やらねばならないミッションがあり、それを必ず(方法の差はあれど結果は同じように)繰り返し、みんなが生きる世界からある日突然自分だけがいなくなる(つまり死ぬ)。それが、なっちやみーぽん、まりりんがいなくなってしまった世界に自分だけが取り残される事態になった時に麻美が感じる虚無感のインパクトが凄すぎて茫然としてしまった。麻美が何度も生まれ変わるのはいいとしても麻美が死んでしまったあとの世界の人々をないがしろにしすぎではないかとちょっと残念に思っていた矢先に「バカリズムすげぇ…」と唸った。大切な人を亡くした孤独をタイムリープという設定に甘えることなくきちんと描いたことに拍手を送りたい。この哀しみを安藤サクラいう名優ひとりに背負わせて全てを表現させるなどなんというスゴ技か。
目的を果たした後には地位も名誉にも固執することなく潔く一週目の人生と同じ生まれ故郷に帰って公務員や保育士になるというのも欲に目が眩んでるワタシから見ればちょっと歯痒いぐらいに奥ゆかしい。地元に帰ってもいつメンで集い、冗談で言ってたみんなでハイテクの老人ホームに一緒に入る夢も叶えた。今度こそひとりも欠けずに長生きできてよかったとホッとしてたら4人とも次はハトに生まれ変わった模様。前世の記憶はないはずなのになんとなく仲良し感あふれる四羽の姿が死の虚無をやわらげてくれる。バカリズムの才能とともに優しい人間性に惚れそうだ。

余談。加藤の粉雪はフツーに上手い。
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