ハンスウ

悪鬼のハンスウのレビュー・感想・評価

悪鬼(2023年製作のドラマ)
3.8
これは全12話。しっかり12話で連続もののストーリーでホラーをやってるんですよね。ホラーファン、マニアの人たちからすればホラーとは違うって言うかもしれないけど、それでも、まあ、ホラータッチ、ホラーテイストな演出でそれらしく仕立てられています。

他のとこでも似たようなことをわたしはよく書いてますけど、これはすごいことですよ。ディズニーで配信されてるけど、元は韓国の地上波民放で放送してた番組らしいです。オリジナルで連続ものでホラーっていう企画がよくできるなあって思う。日本だと原作がないと絶対無理そうだけど、今作の脚本家さんがたぶん韓国では信頼されているブランドみたいなものなのかなあって推測します。くわしくはまったくわからないけど……。

そのキム・ウニっていう脚本家さんの過去作を振り返ると、けっこうファンタジーで意欲的な作品を書いてたんだなあってことがよくわかります。
「シグナル」ではトランシーバーで時空を超えた通信。
「キングダム」では朝鮮王朝時代でゾンビ。
「智異山」では生き霊のようなものを登場させてミステリーを書いたりしていてそれぞれヒットしていたようなので、そういう経歴が今作のような意欲作につながった……のかもしれません。

それで今回は悪鬼ということで、悪鬼と言ってるけど悪霊の方がわかりやすいかな。過去にヒドい死に方をしてしまった人が死にきれずに悪鬼として乗り移って生き続けて復讐をするっていうことなんですよ。悪鬼が復讐を続けるっていう根底には韓国特有の格差社会による悲劇のようなことがあるといわけです。

悪鬼に乗り移られるのが主人公を演じるキム・テリちゃんですが、やはり、普段の自分と悪鬼の二重人格的な面をキム・テリちゃんがいかに演じるかというところが大きな見せ場でもある思います。ストーリーはね、こういうテーマでやればダレますよ。5話を越えたあたりからだんだんと。緊張感を維持した演出でしっかりと作られてはいるんだけど、12話をずっとホラーテイストで楽しませるっていうのは難しいところだと思います。
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