トケグチアワユキ

とりあえずカンパイしませんか?のトケグチアワユキのレビュー・感想・評価

4.5
全編視聴終了後追記 (2023.03.28.)

30分4回完結。
三股をかけられていたアラサー3人組が仲良くなり、合コン繰り返す。
というのは表向きの設定で、実は非常に観念的な人生哲学と人間関係にまつわる自白ドラマ。

セリフの端々に脚本の三浦直之が主宰する劇団のロロに見られるようなパンチラインが満載。
テレビドラマどころか映画にさえもあまり見られない舞台での演劇的なスタイルもあり、普段から下北沢の小劇場などに通い慣れていないと、演出の指向性が理解しづらいかもしれない。
それでも制作陣は最初からこのウラ設定を敢えてドラマで作りたくて企画したのは間違いなく、確信をもった演出スタイルだろう。

恋愛/仕事といったこの世代に最も大きなウエイトを占める要素に、当たり前を見直す視点を提示する意欲的な作品だと思う。

主演、白石聖/朝倉あき/北野日奈子の3人は意思を持ってこのドラマに参加しているだろうからまだしも、合コン相手にキャスティングされたイケメン俳優サンたちとそのファンの方々には意味不明だったかもしれないが、この出会いを求めてさえいないような主演の3人の言動にちょっとでも引っかかりを感じ、いまリアルで彼氏ちゃん彼女ちゃんの言動にちょっとイラッとしたりモヤったりしてるたなら、三浦直之の主宰するロロのお芝居を観て欲しい。


最後に主人公3人の衣装とメイキャップがとてもいいと思いました。
特に朝倉あきの短い髪のアレンジがかっこいい。
そして白石聖のトラッド寄りなカジュアルのボーイッシュな衣装。

それにしても、このタイトルとの乖離具合は尋常とは思えない。
ムチャするよなぁ。


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私のブルーレイレコーダー、勝手に録ってくれてありがとう。年イチくらいでナイスプレイしてくれる。

脚本はロロ(ろろと読みます。劇団です)主宰の三浦直之。
音楽が池永正二(あらかじめ決めたれた恋人たちへ、というバンドの主宰。超Coooool!!!!)
メインの俳優に白石聖。

作劇の方法もカメラのフレーミングも完全に舞台マナーだし、「ずっと自己紹介し続けませんか」って名言出てくるし、第1話にして永久保存確定でしょ。
中学校の転校シーンなんて、どこの劇場で観てるのかって気分。


完走後、改めてレビューとスコアは入れますが、まぁ名作確定じゃないでしょうか。
ありがとう、プロデューサー陣。
こういうのを待ってんのよ、いつも。
テレ東ドラマ局は本当に優秀だなぁ。