『ネイサン・フォー・ユー』の知名度が皆無な日本で邦題まで付いて配信されることが奇跡だと思う本作。(表舞台復帰作なので海外では一年以上前から超話題になってましたが)
ネイサン・フィールダーの天才っぷりが遺憾なく発揮されたまさにリアル“Synecdoche, New York”な狂作！
どこまで企画なのか考えれば考える程に圧倒されるメタの波。それは偽物なのか本物なのか区別がつかなくなるまで繰り返す。それを人生のリハーサルだと言うネイサン。「人生は一度きり」みたいなことに帰結しないのが素晴らしい。
矛盾やおかしなところはあるが冗談じゃなくて真剣(マジ)なのが人生であり、全てが不自然で完璧な配置をしている。そんなネイサンの哲学と着眼点とユーモアに“I'm Thinking of Ending Things”を思い出す。やはりこの世界は思考の産物なのだ。
わたしはネイサンのことフレッド・アーミセン系譜の変人だと思っていてちゃんと日本で配信が見れて本当に嬉しいよ。
