テリーマザーファッカー虎

ウルトラマンブレーザーのテリーマザーファッカー虎のレビュー・感想・評価

ウルトラマンブレーザー(2023年製作のドラマ)
4.2
流石田口清隆という感じで、過去シリーズの中でも屈指のハードSFドラマでした。

同じく田口清隆による『ウルトラマンZ』はハードSFとアニメ的ケレン味が半々という形でミックスされていたシリーズだったことに対して、本作は監督の自主制作作品『UNFIX』のように身近な存在としての"怪獣"が描かれたお仕事物としての要素が強かったと感じました。

特に第1話「ファーストウェーブ」の完成度は圧倒的。
ほぼリアルタイムで1つの作戦を見せきる構成と、夜を舞台にしたハードな場面は大人もしっかり楽しめる作品としてたった1話で提示できたのではと。

妻子持ちの隊長という主人公の設定も素晴らしかったし、全員がプロフェッショナルという防衛隊はこうであってほしいという理想的なキャラクター達にはぐっときました。

その中でウルトラQのような短編作品として上質な個々のエピソードの素晴らしさも際立っていました。
『オトノホシ』『朝と夜の間に』『さすらいのザンギル』『ソンポヒーロー』なんかは終わっだあとの余韻も含めてウルトラシリーズらしいエピソードだったと思います。

メカゴジラオマージュや平成ガメラオマージュなど田口監督のやりたいことを詰め込んだ描写にもワクワクさせられましたし、その上でアップデートしたアクション描写なども描ききっていて本当に素晴らしかった。

久々に過去シリーズとのリンクを一切廃した作品ではあったものの、Zとのリンクはいつか見たいとも思いました。