馮美梅

軍港の子〜よこすかクリーニング1946〜の馮美梅のレビュー・感想・評価

4.0
「よこすかクリーニング」今はだれも住んでいないその場所に、家主だった人の娘と孫がやってきた。

空襲で母親が目の前で死んでしまった主人公・今日一はおじさんの家に引き取られ、生業であるクリーニング店で食事もろくにもらえず重労働をさせられていた。

そんな今日一があるきっかけでその家を出て、自分と同じ境遇の戦争孤児たちと生活をすることに。彼のできることは厳しくしつけられたクリーニングの腕。同世代の子供たちと必死に生きていこうとするが、そこには出会いもあれば別れもある。子供というだけで警察に捕まり施設に送り込まれることもある。

施設と言ってもピンキリで、ちゃんとした教育を受けられる場所もあれば、非人道的な場所もある、それは行ってみないとわからない。

いろんな大人との出会い、大人の中には戦争が終わっているのに「非国民」と子供たちを詰る人もいるし、沢山の理不尽な目に遭うことも。

それでも、必死に生きていこうとする子供たち。
厳しい環境の中でも自分の人生をちゃんと考え生きていこうとする子供たち。その結果が「よこはまクリーニング」だったのだろう。

子供たちの演技にすごく引き込まれましたし、友が理不尽な死を迎えながらも彼の思いも一緒に生きていこうとする今日一の決意に残された仲間もきっと自分らしい人生を送ったんじゃないかと思いたいです。
馮美梅

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