ゆうき

無人島のディーバのゆうきのネタバレレビュー・内容・結末

無人島のディーバ(2023年製作のドラマ)
1.7

このレビューはネタバレを含みます

個人的には、かなりイマイチな内容。
1話がピークで、その後は失速。

物語も演技もあまりにも適当、雑すぎて、ツッコミどころ満載で長文になってしまいます。ウンビンさん出演作の中でも、特に演技は1番酷い。
近年のNetflix韓国ドラマは(それがスタジオドラゴンであっても)、内容の質が低下して安易なウケ狙い、商業重視を感じる残念な作品が増えてるなと感じるけど、この作品もその一つ。

自分は、人間や物語を丁寧に描いていなかったり、演出や作り込みが甘いのに、「ここで感動してください」という制作者の意図(しかもベタ)が見える作品は苦手なのだけど、この作品は随所にそれを感じた。

カメラワークの良さや景色の美しさなど、良い部分あるのにもったいないなと思うことが多々あり。

<以下、作品と演技の雑さ、手抜きを感じた点の抜粋>

モクハは、虐待されていたのに学生時代も大人時代も性格がほとんど反映されてないし、無人島15年の過酷な生活も同様。
他方で昔を思い出す時は涙を流すけど、それが他の場面では活かされてないので、涙が唐突で浮いてる印象。

ただ第1話の学生時代のモクハとギボの演技は奮闘(特にギボは丁寧な演出)。

2話以降の成人編以降は、ギボ父の動きでサスペンス風にしたり、記憶喪失や、未来を見せたり色々と安易なウケ狙いすぎて、本当に1番大切な人間心理や物語性が粗く雑に。
とにかく物語に安易さや軽さ、適当さが目立つ。

序盤の2〜4話だけでモクハとギボの関係で感動呼ぶには2人の、人間ドラマとしての人間関係の見せ方が浅すぎるし(学生時代編を長くした方が圧倒的に良かった)、
2話で歌の演出は早いし、しかも当初のランジュのやる気のなさ。笑

モクハも、2話で長年憧れのランジュを助けた際に、裏方に徹して相手を立てて助けるというより、自分が目立つ歌い方で、思わずツッコミたくなった。
本当に心からのファンかいなと。
それ以降も言葉とは裏腹に、意思的には最初からモクハが、ランジュを脇(雑)に扱う演技になってしまっている。

ランジュの裏方的な仕事をしてる時も不機嫌で目が輝いてないし(バイト先とかの方がよほど機嫌が良い。笑)、
ランジュの口パクがバレて「次をモクハを舞台に」と言われた際の表情は、もはや憧れのランジュに気を遣ったり戸惑う様子もなく「待ってました」みたいな表情なので笑った。
なんというか、もうランジュは踏み台に。

ランジュも本当にかつては一流歌手か?と思うほど歌に対するプライドが無さすぎるし、さらに「また私の代わりに歌って」発言は、いくら理由付けてもゴーストライター要請と化していた。笑

そして後から「モクハに立場を奪われたくない!」みたいに言うのも今更ですか?とツッコミたくなるし、
モクハも「私は絶対に裏切りません」と言って、その理由に使った無人島の空腹時のエピソードもおかしいなと思っていたら、後で無関係な人に「無人島のエピソードはあれは嘘で、本当は裏切ってました」みたいに泣きながら言ったのは、ギャグでしかなかった。
しかも直後に恋愛要素を入れるので、その涙も軽すぎに。笑

というかランジュさんは、勇気を持って大勢の前で口パクを告白したのに(これがスルーされる世界線もアレだけど。笑)、
モクハは事情があるにせよ優勝後に「やっぱり歌手は辞めます。さよなら」と一時的に言って去るのは、ランジュさんのハシゴを下された感が半端なかった。
ライバルのモレに至っては、完全に貧乏クジ役でモクハを引き立てるだけ。笑
現代最高の歌姫とは何だったのか。

なんというか、物語や人間描写はメチャクチャなのに安易な感動要素や歌とか恋愛とか、表面的なウケ狙いにだけ力を入れて、パク・ウンビンさんのPRドラマと化してしまっている。

パク・ウンビンさんは、結構以前からファンで、数年前に某SNSで生歌を披露していた時も観ていたので、歌は好きなのは知っていました。
今年のファンミでも。
ただ、演技はたまに人物像が見えない時や、わりと繊細さや強弱が単調に感じる時もあり(ごめんなさい)、今作では特にそれを感じてしまった。

他方で、良い意味でカメラワークを意識したり、姿や声を含めて映える技術的な演技は、今作も上手いと感じる。
これはおそらくご自身の中で、長年の努力によって蓄積されたノウハウがあるのだと思っている。


<追記>
後半に入っても失速。しかも展開が読める内容が増して駄作に近い(残念ながら)。

韓国でも微妙な評価で(韓国は日本よりも内容を評価する傾向)、視聴率が全てではないとはいえ、物語が盛り上がる後半も視聴率が下落。特に「恋人」などライバルのドラマ番組が多い土曜日は厳しい数字。

ここのレビューはやたら高いけど、たまにある「出演者の名前で高評価」という典型的な過大評価ドラマ(ウンビンさんはそうなって欲しくなかったな)。
ゆうき

ゆうき