つい

沈黙の艦隊 シーズン 1 ~東京湾大海戦~のついのレビュー・感想・評価

3.2
個人的には微妙。原作大好き。期待し過ぎでハードル上がってしまったかな。

戦闘というより安全保障をどう考えるか?という政治をテーマにした物語だけど、それにしても原作では熱い攻防が繰り広げられてた数々の戦闘シーンがカットされていたのは本当に残念。「あの戦いが実写で観れるのか」みたいな期待感はちょっとあっただけにね。
政治と人間ドラマをメインに据えるなら尺の関係で仕方ないのかな。

オリジナルで加わっていた海江田と深町のエピソードはそんなに嫌いじゃないかな。短い時間の中で二人の関係性や人間性の違いを分かりやすく描いてたと思う。
敵側の人物をあまり描かないことで、やまと・たつなみの乗組員のキャラが良く描けていたのも好印象。原作知ってると、このキャラをこのキャストにしたの絶妙!とか思ったりしました。

あとは潜水艦内のセットが良くつくってあるなという印象。計器やパネル含めてとても精巧な感じ。最新鋭の潜水艦やまとと年季の入ったたつなみの艦内セットの対比が、どちらも良い味わいが出てました。

ただ、本当に惜しむらくは、原作読んでるからわかってはいるけど、それにしても解説不足過ぎて盛り上げ演出がダメだったかなー、という感じ。
 「なんでこの操艦がすごいのか」
 「なんでこの決断が凄いのか」
 「なんでこの政治的判断が凄いのか」
とかが、全然脚本的に補足ができてないし、戦闘ではCGで描き切れてなくて、演出ができてなかったかなー。
クドクドした説明はそりゃダメだと思うんだけど、各キャラの心のセリフとかもうちょっと描いてくれても良かったんじゃないかなと思う。

アメリカがあまりにも弱腰かなって感じも気になったかな。ベネット大統領の思考描写がもう少しあったほうが良かったと思う。

あとね、海中描写なんだけど、そんなに濁って描かなくて良かったんじゃないかな。いや、ハッキリ見えると不自然さが出るんだと思うんだけど、それにしても何やってるんだかわからなすぎる。特に東京湾がヤバかった。これは奥の方を描かないことでCG費用を抑えたかったというのが正直なところなのかな。

そもそも潜水艦は隠密行動が基本だから仕方ないっちゃ仕方ないけど、外見だけでどの潜水艦かがわかりにくいってのも、ちょっと致命的だったかな。現実離れしてても、もう少し視認性をあげる工夫が欲しかったところ。
つい

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