meiko

アンチヒーローのmeikoのネタバレレビュー・内容・結末

アンチヒーロー(2024年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ面白かった。
公平ではない世の中に正直にぶつかるだけではどうにもできない、ならばこちらもアウトローなことをしてでも崩しにいく、というのが新しく感じた。
それから、大きなものに立ち向かうには何よりも信念を共にできる仲間が必要。ひとりではできない。そんな人を見つけたら絶対に手放してはいけない。と思う。
向き合うか、逃げるかの瀬戸際の時、向き合うに針がふれる人は幸運にも誰かが一緒だったのではないかな、と思う。

胸焼けしそうな野村さんのせいで検察って最悪やん、てなりそうやけど、木村よしので綺麗に回収。

瀬古さんの、
「人は弱い。だからこそ、人が人を裁くことの危うさが司法にはつきまとう。そのことを忘れてはならないんです」
の台詞も良かったし、道を間違ったとはいえ、フロントランナーだった彼女には、木村よしのと違って仲間がいなかったのが辛かったと思った。
間違いをおかしたけど走り続けてきた瀬古さんを讃えてくれる場面があって嬉しかった。

ただ、性犯罪の「被害者」が実は嘘をついてたっていう設定は違和感。あきずみ先生が嘘を暴くために彼女に「現場から逃げられたでしょ?なんで逃げなかったの?」って問い詰めるところも良くないと思う。実際、逃げるどころではない本当の被害者もいるわけで、(命の危険を感じる時は、体が硬直して死んだふりのように生き物としてなることが科学的に指摘されていて、逃げられる方が珍しい)
逃げなかった本物の被害者がいたときに「これも嘘じゃ?」と疑う世の中の流れに加担してしまわないかなと思う。
「被害者」もうそをつく、という設定が欲しかったなら、性犯罪以外でやってほしかった。窃盗でもなんでもいいから。

「大きな組織の理屈の前に自分をねじ曲げて生きていかないといけないことがまだまだあるのが日本の現状です。ですが司法の人間は、それがだれかの一生を大きく左右するということを1秒たりとも忘れてはいけない」
「こんな不平等な世の中で、だれもが気づかないうちに自分の物差しで人を裁き、時には2度と立ち直れないぐらい厳しい罰を与える。これが現実です、だって人は人を裁くのが快感ですからね」
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